音楽のおべんきょうφ(.. )メモメモ

NHK-FMWorld Rock Nowでの渋谷陽一氏の解説で面白かったものをメモしてゆきます。

    

AORについて AORとは何か?

  • 2018年06月16日
  • AOR
 今回は、「今日は一日“AOR”三昧リターンズ」よりAORについてまとめます。解説は、金澤寿和氏です。

 プレAORの時代の、この曲がなかったらAORもなかったぞという所で、The Young RascalsでGroovin'。



 AORはいろいろな定義があって難しい所ではあるんですけれども、共通しているのは、AOR=Adult-Oriented Rock(アダルト・オリエンテッド・ロック)というのが基本的な定義です。どのような音楽かというと、洗練された大人向けのハイブリットな都会派の音楽ということです。

 もともとはアメリカとかで、Album-Oriented Rock(アルバム・オリエンテッド・ロック)、つまりシングルヒットを狙わないアルバム志向のアーティストを指して、AORという呼び方がされていたんですけれども、その実アメリカでもいろいろな解釈があって、Adult-Oriented Rock(アダルト・オリエンテッド・ロック)という日本的なAOR定義は、アメリカでも一部にはあったようです。ただし、あまりポピュラリティーは得られなかったようです。その後、日本では1970年代後半から1980年代前半に、このような洗練されたポップスがどんどん入ってきまして、日本でもそういうアーティストが出てきまして、シティーミュージックとかシティーポップスとかソフトアンドメロウという言い方が流行りました。それ以後、シティーポップスとかソフトアンドメロウという言葉に変わって、AORという言葉がだんだんポピュラーになってきました。

 AORの音楽的な定義は、国とか地域によってちょっとずつずれています。日本でいうAORはAdult-Oriented Rock(アダルト・オリエンテッド・ロック)ですけれども、今アメリカでAORというと、アダルト・コンテンポラリー・ミュージック(adult contemporary music)という言い方で、ACチャートというのが未だにありますけれども、これが一番日本のAOR感に近い今のアメリカの言い方になります。でも、アダルト・コンテンポラリー・ミュージック(adult contemporary music)はもっと範疇は広くて、実は日本では産業ロックと言われますジャーニー (Journey)とか、ロック系のアーティストのパワーバラードみたいなものも、アメリカではアダルト・コンテンポラリー・ミュージック(adult contemporary music)に入ります。ただ、日本だとAORとはちょっと違うだろうというのが、割と一般的な感じですね。

 また、これをヨーロッパでもっていくと、産業ロックとかメロディアスロックとかと言われる、結構ハードめなロックがAORで、日本でいうクリストファー・クロス(Christopher Cross)とか、ボビー・コールドウェル(Bobby Caldwell)とかそういうのは何ていうのかというと、ウェストコースト・ロック (West Coast rock) ですね。必ずしも西海岸に限ってはいないんですけれども、それがヨーロッパのAOR。日本でいうAORは、ヨーロッパではウェストコースト・ロック。しかし、日本でウェストコースト・ロックというと、イーグルス(The Eagles)であるとか、リンダ・ロンシュタット(Linda Ronstadt)とかそういうイメージがありますけれども、地域や国によって事情が違うということです。だから、ジャンル的に完全に確立されたものではないんですけれども、少し範疇を広げつつ、その辺のファジーなところも楽しんでいただければと思います。

 AORのアーティスト達にインタビューをすると、AORのアーティスト達はAORという言葉を使っていますよね。日本で大ヒットしたジャンルですから、アーティスト達は日本で自分たちが何て呼ばれているのか、よく分っている人は分っていると思います。かといって、当時だと通じなかったという話も聞きますので、「AORをどう思いますか」って聞いたら「僕らとは関係ないよ」って言っているアーティストもいましたので、その辺は時代によって違うと思います。今、AORといって日本へ来日するアーティストは、日本的なAORをちゃんと理解していますね。

 今一般的にジャンルとしてAORという言葉を使ってしまいますが、時代背景があっていろいろな流れがあって移ろうものなので、例えばAORの全盛期である1970年代末から1980年代初頭は、AORのアルバムを作っている人でも、もともとはソウル系の人だったり、カントリー系の人だったり、そういう人達がこの時代はAORを作って、AORが下火になると他の方へ行ったり、元のルーツの方へ戻ったアーティストもたくさんいますので、僕なんかはジャンルというよりは一つのサウンドのスタイルとしてAORをとらえた方が、あまり堅苦しくなくていいと思います。アーティスト自身が、自分はAORをやっているという感覚がなかったりしますので、自然につくって、今の時代ならこういうサウンドのテイストがうけるよねっていう感じでできたのが、その時代はAORだったという人が多いのです。自分はAORをやりますとか、自分はAORはやりませんとかそういうものでもなかったと感じなので、AORというのはサウンドのスタイルだと思います。AORがまだ流行りだす前、1970年代半ばくらいに、自分のルーツからはみ出してだんだん洗練に向かっていく過程で出したヒット曲を二曲お届けしたいと思います。シールズ&クロフツ(Seals and Crofts)でDiamond Girl、ジェームス・テイラー(James Taylor)でHow Sweet It Is (To Be Loved By You) 。



ジミ・ヘンドリックス(Jimi Hendrix)、奇跡の3年間

Kenrocks Nite - Ver. 2 20180429 解説は大貫憲章氏です。

 1960年代に生まれたロックの一大レボルーションがサイケデリックロックです。まずはサイケといえばこの人でしょうという感じもあるかもしれませんが、ジミ・ヘンドリックス(Jimi Hendrix)は、アフリカ系のお父さんとアメリカの先住民系のお母さんを持つ、いわゆるブラック・インディアンと昔はいわれていましたけれども、そのジミ・ヘンドリックスが最初に作ったグループがザ・ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンス(The Jimi Hendrix Experience)ですが、彼らのデビュー作品がまさに「Are You Experienced」なんですけれども、ではそのアルバムのタイトルトラックAre You Experienced。



 サイケは1960年代半ばくらいに誕生しました。何をもってサイケというかの定義はいろいろだと思いますが、これまでの音楽がポップスという形で、シングル盤を中心に3分間の娯楽としてやっていたものが、徐々にミュージシャンの意識だとか、社会の状況、録音機材の改良とか進化とかいろいろあって、音楽を3分間の楽しみというか聞いて楽しいなという楽しみだけじゃなくて、ミュージシャンの意識そのものを伝える、1960年代の世の中の事象とも合わさって、これまで音で表現できなかったことを表現してみようじゃないかとそういう風になってきます。「Revolver」だとかその前の「Rubber Soul」だとか、ビートルズ(The Beatles)あたりがその始まりだといわれていますが、コンセプトに基づいたアルバムを作ろう、シングルじゃなくてアルバムを作るという意味で、まさにエクスペリエンス、実験的なことをやろうという気運がありました。それは、中心地はアメリカとイギリスとヨーロッパの一部でしたけれども、世界的な気運として起こりました。ジミ・ヘンドリックスはその時代の寵児。人気者でもてはやされたんですけれども、そのジミ・ヘンドリックスは1942年、シアトル生まれですね。1970年に亡くなっているわけですけれども、15歳くらいでギターを覚えて、兵役に行ったのが1964年で、帰ってきて1965年から本格的なミュージシャン活動をしていろいろなバンドを転々として、自分のバンドは持ってないんですけれども、いろいろなところで演奏をしたという風に言われています。活動しているところを1965年の秋にアニマルズ(The Animals)のベースにチャス・チャンドラー(Chas Chandler)という人がいるんですけれども、その人に見いだされて、お前イギリスに来いよ、イギリスで一旗揚げようぜみたいなことを言われたのかどうかはわかりませんが、渡英して、オーディションでメンバーを見つけて、3人組のザ・ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスが活動を開始しました。そして、1967年にデビューアルバムの今ご紹介しました「Are You Experienced」を発売して、みんながブッたまげたということですね。エリック・クラプトン(Eric Clapton)曰く「誰もジミのようには弾けない」って言って、ジェフ・ベック(Jeff Beck)なんかは「俺は廃業しようと思った」なんて言ったとか、そのくらいショックな彼の登場でした。確かに手法が、技術的なものも含めて、独特なサウンドが聞けましたよね。ジミ・ヘンドリックスは自分の音楽のことを「エレクトリック・チャーチ・ミュージック」、要するにエレキの教会音楽と自ら言っていたんですけれども、まさにそういうような印象ですよね。実質1967年にデビューして1970年に亡くなっちゃうわけですから、3年間なわけですね。その3年間で普通のミュージシャンが一生かかってもできないような所に到達しちゃったと思うんですよね。スーパースターはこういう風に生まれて、こういう風に去っていくっていう一つの形を作っちゃいましたけれどもね。

ラモーンズ(Ramones)の転機となった二枚のアルバム

Kenrocks Nite - Ver. 2 20180304 解説はKatchin'氏です。

1、5th「End of the Century」

 世の中的に2月と8月は物が売れないって言われていますが、ラモーンズはそのくらいの時期にアルバムを発表するのが割と多いです。特に、冬に出てるのが意外と多いのです。多分、発売する時期をもうちょっと考えてくれたら、もうちょっと売れたのではないのかと思います。特に、すごい重要なアルバム、5枚目の「End of the Century」。これは、Do You Remember Rock 'n' Roll Radio?、Rock 'n' Roll High Scho全部入っていますが、このアルバムの発売日が2月4日なんです。フィル・スペクター(Phil Spector)とか使っているんだから、もうちょっといいタイミングで出してもいいんじゃないかなと思います。「End of the Century」は、レコード会社も、メンバーも、フィル・スペクターも全員が絶対に売れるって作っていたアルバムなんです。結果的にはラモーンズ史上では一番売れたんです。ただ、チャートの順位は45位。微妙なんですよ。本当にトップテンに入るつもりでみんな作った作品なんです。変な話ですけれども、これが4月とかに出ていたら、もっと売れたかもしれません。そして、この「End of the Century」が売れなかったということがターニングポイントで、基本的にラモーンズも「End of the Century」まではレコードを売りたいと思っていたわけです。フィル・スペクターを連れてきて、金もかけてすごく頑張ったけれども売れなかったので、もういいやと。俺たちはレコードは売れないと。それで、俺たちはツアーをやってライブをやって行こうということで、このアルバムからツアーとかライブがメチャクチャ増えたんです。それで、他の国ですごく売れるようになったんです。ラモーンズの場合は土台がしっかりしていて曲もよかったので、世界で受け入れられたわけです。



 また、「End of the Century」にはDanny Saysという曲が入っていますが、このDannyというのはダニー・フィールズ(Danny Fields)という一番最初のマネージャーのことなんですけれども、この人がこの時にマネージャーをやめてしまうわけですね。ダニーはデビュー前の段階からラモーンズのマネージャーをやっていて、自分のおばあちゃんからお金を借りて、ドラムセットをラモーンズに買い与えるとか、そういうことをやっていた、ラモーンズを支えていた人が辞めてしまったという時期でもあるんです。




2、7th「Subterranean Jungle」

 1983年2月23日に発売された7枚目の「Subterranean Jungle」からI Need Your Love。



 この曲はカバー曲なんですけれども、ニューヨークの同世代のThe Boyfriendsというパワーポップバンドがいて、この人達が作った曲ですけれども、それを「ちょっと曲が足りないからお前らの曲やるから」みたいな感じでやっています。ラモーンズはカバー曲も面白いものが多くて、この「Subterranean Jungle」の中では、Little Bit O' SoulとかTime Has Come Todayとかをやっています。この「Subterranean Jungle」も結構な過渡期にありまして、ここでマーキー・ラモーン(Marky Ramone)がクビになります。このアルバムをレコーディングした後に、ライブをバックレちゃいまして。当時マーキー・ラモーンはアル中だったんですね。それで、このアルバムが発売されてからリッチー・ラモーン(Richie Ramone)にかわるわけです。しかし、アルバムジャケットにはマーキーが写っているんですけれども、ただTime Has Come TodayのPVではリッチー・ラモーンがドラムを叩いています。ここでメンバーが入れ替わっています。「Subterranean Jungle」以降は曲の感じも変わって、ちょっとハードコア路線になっていきます。また、リッチー・ラモーンが入ってライブでの曲のテンポも上がり早くなりました。そういうわけで、この5枚目と7枚目は2月にそれぞれリリースされましたが、2月は厄月みたいなものですね。

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