音楽のおべんきょうφ(.. )メモメモ

NHK-FMWorld Rock Nowでの渋谷陽一氏の解説で面白かったものをメモしてゆきます。

ワイアー(wire)の1st「ピンク・フラッグ(pink flag)」について

19980220

 ワイアーは一連のパンクバンドの中の一つなんですけど、そのなかではかなりクールなバンドでラジカルな姿勢を持ったバンドでした。その後、こういうものを聞いていた若いミュージシャンにかなりの影響を与えたようでございます。有名なところだと1985年にREMがこのアルバムの中に入っているストレンジという曲をカバーしていたりするんですけれども、それからex lion tamerというバンドはピンクフラッグを全くそのまんま曲間までおんなじにコピーしてですね、自分たちのライブでやったってくらいこの作品が好きだったというそういうバンドを生んだくらい後々のミュージシャンに大きな影響を与えたそういうバンドなんですけれども、アルバム三枚残して非常に地味なまんま、一部の熱狂的な支持が集まっただけでバンドは解散してしまって、その後すっかり忘れ去られてしまったんですけれども、77年当時は、私がライナーノーツを書いたときは90年代になって名作アルバムとして再発されるなんて想像もしなかったんですけれどもね。champs。


パンクロックというのは、みなさんよくご存知のようにスリーコードでガンガンガンガンやってとりあえずプリミティブなパワーだけで自分達のメッセージを叩きつけるという究極のアマチュアリズムというかそういう思想のもとに作られていたと世間では言われていたんですけれども、現実的にもっともパンクロックを代表したバンドセックスピストルズはスタジオミュージシャン並みのテクニックを持っていたミュージシャンを洋服屋のおじさんがかき集めてでっち上げたという、そういう非常に芸能界的なたたずまいのバンドだったんですよね。だから、世間一般的に思われているパンクと現実のセックスピストルズの音楽にズレがあっても、セックスピストルズの音楽が持っているパワーは全然かわらないですけれども、いわれているパンクロックと現実との間のズレは大きかったと思います。例えば、僕なんかは営業パンクって呼んでるんですけれども、ポリスなんて世界でもっともテクニックのあるバンドが一番テクニックのない振りをしてでてきたという、それはそれで面白かったわけですが、そういうなかにあって、ワイアーというのは究極のアマチュアリズムを徹底して追及したバンドであります。バンドのメンバーのかなりの人はですね楽器も演奏したことがないという、本当の素人だったんですよね。当時有名になった言葉で、私が原稿に何度も何度も書いたことがありますけれども、「楽器というのはバンドを作ってから勉強すればいいんだよ」というそういうメッセージがありまして、かなり粋がってかっこいい言葉として流布したんですけれども、彼らの場合は額面どおり、バンドを作ってから楽器の練習をしたという、僕なんか当時ロック雑誌を作ったときにですね、「編集なんて雑誌を作ってから勉強すればいい」と思っていましたから、実際に校正も編集も何にも知らないまま雑誌を作ってしまって、それでもなんとか出版社として二十何年も続くんですからね、当時のワイアーのコンセプトは正しかったわけですが、そういうアマチュアリズムだからこそワイアーのもっている、聞けば誰でも下手だとわかるんですけれども、下手だからこそできる直接性、身もふたもない音楽がもつ強さを形づくれたと思うんですよ。彼らは音楽というものに幻想がなかったわけで、音楽至上主義的なアプローチではなくて、音楽という道具を使ってメッセージなりそのときの気分などいいたいことをたたきつけたという、このアルバムは20曲入ってるんですけれども、一曲が一分を切れてしまう、そういう楽曲が多いわけで、これは彼ら自身戦略でやっていたのではなくて、一分以内の曲しか作れなかったという、そういう悲惨な現実を生んでいたわけですけれども、それはそれでこのバンドのパワーを生んでいたんだなぁって感じがしますよね。その中でもこれは割りと音楽的なナンバーだと思います。Reuters。



2011年のワイアーです。

「ロックでなければなんでもいい」と言ってデビューしたワイヤー (Wire)、どんどんロック化してゆく

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