ラジオFMのメモ

NHK-FMWorld Rock Nowでの渋谷陽一氏の解説で面白かったものをメモしてゆきます。

ブライアン・ウィルソン(Brian Wilson)から学ぶ60年代70年代のロックとの付き合い方

19980508

 紹介するのはその60年代ポップミュージックの偉大なる当事者ブライアン・ウィルソン。言うまでもなくビーチ・ボーイズ(The Beach Boys)のすべての音を作り続けている偉大なるアーティストでありますけれども、このブライアン・ウィルソンの10年ぶりのソロアルバムというのが発表されました。まさに、60年代70年代ポップミュージックの当事者の作品が発表されたわけであります。聴いてください。Your Imagination。



 ブライアンウィルソンの10年ぶりのソロアルバムなんですがこれが奇跡的にすばらしい作品で、いま聴いていただきましたように、あのビーチ・ボーイズの瑞々しい音がそのまま生き返っているという、そういう音なんですが、しかし不思議なんですよね。ほんとうに優れた60年代のミュージシャンが今作品をつくるならば、30年の時間がたっているんですよ。で、その30年をどうとらえ、時間的推移や周りの状況の変化を捉えてそれとどう新しい音を作っていくかというそういう方法しかポップミュージックの場合いい作品をつくる方法はないはずなんですが、このブライアン・ウィルソンの作品を聴くと、この人には30年間何にもないんですよね。60年代から突然今来て、まったく同じテンションと同じ方法論で突然このような優れた作品ができてしまう。この30年を踏まえないといい作品ができるわけがなくて、その間に本人の衰弱と周りとの緊張関係が失われて単なるつまらない懐メロになってしまうんですけれどもなってない。なんなんでしょう。これは謎です。まあ、ブライアン・ウィルソンはビーチ・ボーイズの音楽活動からリタイヤし、さまざまなリハビリのなかから自分の音楽活動をやっているというのは非常に有名な話なんですが、それでもその混乱とうのはソロアルバムのなかにいろいろな形で出ていたんですけど今回のアルバムはのびのび外レートのまんまで、私にとっては60年代のアウトテイクが突然現れたというそういうものに近い、私のポップミュージックに対する理論はどこにいってしまうのだという著しいショックを与える作品で、ちょっとなんかびっくりみたいな感じですが、いいものはいいんです。she says she needs me。




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