19980522
今日紹介するのは1972年に発表されましたホークウインド(Hawkwind)の3rd「Doremi Fasol Latido」というアルバムです。当時、一連のサイケデリックロックやプログレッシブロックと一緒にひとくくりにされていたバンドなんですけれども、この90年代のデジタルロック全盛時代にいまもう一度ききなおしてみると彼らの先見性というのは驚くべきものがありまして、今正面から再評価されるべきすべらしいグループであります。まずは彼らの最大のシングルヒットナンバーを聞いてください。Silver Machine。
モーターヘッド(Motorhead)のレミー(Lemmy)が当時在籍してまして、彼がリードボーカルをとっているということで話題になっているナンバーですけれども、そんなことは問題にしないすばらしい楽曲だと思います。まさに、今90年代の後半に入っておきているテクノからどんどんデジタルロックへと動いている時代の流れをほんと20何年前に非常に原始的な形ではありますけれども体現していたバンドだと思います。当時のサイケデリックロックやプログレッシブロック、当時このホークウインドは「スペイシー」なんて言葉で表現されていましたが、そういうものがどこか幻想を慈しみ愛しそういうところげ逃避してゆくというベクトルが大なり小なりあって、それが今聞くとレトロなのどかさにつながっていってしまうんですけれども、ホークウインドにはそういう逃避的な匂いがぜんぜんなくて、正面から現実に向かってそこで玉砕していくみたいなパワーがあって、その辺が時代をこえた迫力につながっていると思います。もう一曲聞いてください。Down Through The Nighit。