音楽のおべんきょうφ(.. )メモメモ

NHK-FMWorld Rock Nowでの渋谷陽一氏の解説で面白かったものをメモしてゆきます。

デヴィッド・ボウイ(David Bowie)の5th「The Rise and Fall of Ziggy Stardust and the Spiders from Mars(ジギー・スターダスト)」

world rock now 19990820

 1972年に発表され、この年まさにジギースターダストにロックシーン全体を塗りつぶしてしまったというとんでもない作品なんですけれども、今聞きなおすとこのアルバムの持つ大きさ、そして完成度の高さ、奇跡的なクオリティーに感動してしまいました。結局デビッドボウイは過去のあまりにも業績の大きさから自分自身を一遍葬り去り、新たに出発しなければいけないという誰よりもこの作品の大きさを本人自身が感じて苦しみ戦ったという経緯があるんですけれども、やはりそれにしても本当にこれはすごいと改めて思いました。よく知られているように、これはジギースターダストという異星からやってきたロックヒーローの登場とそれから消滅みたいな、非常にミニストーリーみたいなものがアルバム全体を覆っているストーリーなんですけれども、そのジギースターダスト自身にデビッドボウイが憑依して演じるという構造そのものは非常にユニークだったし、それによって潰されて俺はジギースターダストなんかじゃないといわざるを得ないところにデビッドボウイが追い込まれたというところもあるんですけれども、このアルバムが持つ美しさ、せつなさというのは今きいても、あるいは今きくからこそより一層われわれのところに伝わってくるという感じがします。アルバムはFive Yearsという、もう僕らには五年間しか残されていないという非常に切迫したナンバーから始まるんですけれども、続いてSoul Loveという非常に美しいしかしクールなラブソングにつながっていき、数多くのヒット曲がどんどん歌われていくわけですけれども、ますはSoul Love、Starman二曲続けて聞いてください。




 当然このアルバムというのはグラムロックブームの真っ只中にあって、そのシーンを代表するアルバムだったわけですが、続いて聞いていただきますLady Stardustというのは、デビットボウイ自身、あるいはマークボラン自身美しく着飾ったロックスターグラムロックのスター達の光と影を歌ったナンバーです。

 人々は化粧した彼の顔をまじまじと眺め、彼の長い黒髪や動物的な美しさを笑った。
 ブライトブルージーンズ姿の少年は舞台に駆け上がった。
 レディースターダストは自分の歌を歌う。
 暗闇と恥辱の歌を。
 彼は十分だった。
 バンドもいいし彼はステキだった。
 歌は終わることなく続く。
 彼は怖いほどイカしたやつ。
 全くこれまで出くわしたこともない。
 彼は夜をぶっとうしで歌った。
 運命の女が彼からうかびあがり、このすばらしい創造者を見つめている。
 少年達はいすの上に立ち上がり絶賛している。
 僕は悲しく笑った。
 僕にはついていけない愛だった。
 レディースターダストは自分の歌を歌う。
 暗闇と落胆を。
 彼は十分だった。
 バンドもいいし彼はステキだった。
 歌は終わることなく続く。
 彼は怖いほどイカシタやつ。
 全く本当の天国さ。
 彼は夜をぶっとうしで歌った けれども僕は深いため息をつく。
 彼の名前を知ってるかと彼らが僕にきいたから。
 彼は十分だった。
 バンドもいいし彼はステキだった。
 歌は終わることなく続く。
 彼は怖いほどイカしたやつ。
 全く本当の天国さ。
 彼は夜をぶっとうしで歌った。

 Lady StardustとSuffragette City。二曲続けて聞いてください。




 Five Yearsという非常に切迫したナンバーではじまるこのアルバムは、Rock'N'Roll Suicideというナンバーで実質的に終わるのですが、このRock'N'Roll Suicide、ロックンロールの自殺者というのは、ロックという呼吸装置を持たなければ生きて行けない僕ら自身ロックファン、そしてデビッドボウイ自身のことを歌っているわけです。そして僕らのようなRock'N'Roll Suicideに対してデビッドボウイはこうやって呼びかけてくれるのであります。

 違うんだ愛する人よ。
 あなたは一人じゃない。
 自分ばかりを見つめているけれどもそれは正しいことじゃない。
 混乱しっぱなしのあなたの頭。
 けれどももし僕があなたの気をひけるなら。
 oh違うんだ愛する人よ。
 あなたは一人じゃない。
 たとえなんだろうと誰であろうとあなたは存在していたはずだ。
 たとえいつであろうとどこであろうとあなたは見ていたはずだ。
 すべてのナイフがあなたの頭をズタズタに切り裂いたのだ。
 僕もかつてそんなことがあった。
 どうにかして僕はあなたを救おう。
 あなたは一人じゃない。
 僕の方を向いておくれ。
 あなたは一人じゃない。
 戻ろう、生きるんだ。
 あなたは一人じゃない。
 あなたの両手を差し出すんだ。
 あなたはすばらしい。
 両手を差し出してくれ。
 あなたはすばらしい。
 両手を差し出してくれ。

 ロックンロール史上もっとも感動的な2分58秒だと思います。Rock'N'Roll Suicide。


 最後の「You're not alone Gimme your hands」で何人のロックファンを救ったのかと考えたら感動的ですけど、しかし、こんなアルバムをつくったらその後なにをすればいいんだというデビッドボウイの悩みもわからないでもないというかそういうすごいアルバムでありました。

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