音楽のおべんきょうφ(.. )メモメモ

NHK-FMWorld Rock Nowでの渋谷陽一氏の解説で面白かったものをメモしてゆきます。

ベック(Beck)に学ぶ90年代のロックとは?

world rock now 19991112

 ベックの最新作(Midnite Vultures)からSexx Laws。


 今のロックの最も先端的な部分をナインインチとともに担ってるアーティストですし、そういう自覚の下にものを作ってくれたなぁっていう感じがします。ベックというのはOdelayにおいて何をやったのかというと、90年代におけるロックというのはもはやのどかな楽天主義によって、例えばギターを鳴らしてそのグルーブが最高とかいうそういうところにはいない、そういうところにいないのならどういう風にして物をつくればいいのかというところで、解体と批評と再生と編集によってもういっぺんロックのグルーブを回復するのだというのを明確に打ち出した人だと思います。例えばサンプリングという方法論、いろいろなアーティストのいろいろな音源を持ってきてそれを組み合わせて新しい音楽をつくっていく、つまり、ギターを弾くのと同じように何かの音を聞いてそれをサンプリングしてそれを加工するという表現行為そのものが、もはや歌うとかそういう表現行為と同じ意味合いを持つんだというのを明確に示したし、逆にいえばそういうことをやらないと90年代のロックは作れないんだよということを指し示したアーティストだと思もうんですよね。今回の作品で彼自身は言っているんですけれども、Odelayと同じように作ったと、しかしテクノロジーによって昔4トラックで作られたものよりもどんどん洗練されて方法論も洗練されて、どんどん作業が緻密になっていったといっているわけですね。例えば彼自身は、70年代のファンクなどが大好きで、当時のミュージシャンの「チャラチャラン」というグルーブを聞くと「うわぁ、すげえ」って思うんですけど、ならその「チャラチャラン」を90年代で再現するにはどうすればいいのかというと、もはや僕らはのどかな「チャラチャラン」は鳴らせないわけです。一番単純なのは70年代のレコードからサンプリングして持ってくるということですけれども、もうそれは今の方法論としては愚かだと思うんですよね。そこでベックは何をするのかというと、それを全部解体していくわけですよ。そしてベースとギターのリズムのズレからどうなっていくのかというのを全部見定めて、一個一個全部ばらして「チャラチャラ」の「チャ」の部分の音とこっちのベースの音をどうくっつけて、どうはっつけて全体の構造をどう見ていくのかという解体と編集の作業を延々、それこそ朝から晩までやっていくなかで自分の表現を高めていったというんですよね。だからこの作品をきくとその緻密な作業が息苦しいまでに伝わってくるんですけれども、全体はいいグルーブの楽しい音楽になっているんですよね。まさに、60年代70年代のロックとは違う90年代のロックの作り方というものをどう突き詰めてどう自分の中で責任を負っていくのかということを本当に考えて考えぬいた作品だと僕は思います。解体と批評と再生と編集のもっとも先端的な部分を聞いていただきたいと思います。Hollywood Freaks。Peaches & Cream。



 この曲すごいですけれども、ライブでの再現性はどうなるのかということが誰もが思うことですけれども、本人はその辺はのどかなもので「まあ、なんとかなるんじゃない」とか言っているわけですけれども、考えてみればレコードの作り方も抜本的に変わっているわけですから、最近はライブといっても生音の再現性にのみ固執するのではなくて、もうテープというのは楽器の一つとして使われているわけですからね。そういうこだわりはどんどんなくなっていくのかもしれません。ちょっと難しい曲が2曲続いたのでこういうポップな曲も入っています。Pressure Zone。


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