ラジオFMのメモ

NHK-FMWorld Rock Nowでの渋谷陽一氏の解説で面白かったものをメモしてゆきます。

ZZ Topに学ぶベテランミュージシャンの生き残り方

world rock now 19991210

 まるでビックビートの新人バンドといった佇まいでまるでファットボーイ・スリム(Fatboy Slim)の新譜かと思われた方もいると思いますが、そんな新しいバンドじゃなくて、なんとキャリア30年をほこるZZ Topの最新作からDreadmonboogalooを聞いていただきます。



 エライ!!ZZ Top、30年たってこの音ですよ。やっぱり人間年取ったからうんぬんじゃないですよね。時代感覚というのは感性の問題でありまして、生理的年齢じゃないということを堂々と示したZZ Top。本当に結成してから30年、1969年に結成されてそこから始まった彼らの歴史。もう、アルバム1000万枚の空前絶後のビックヒットを記録し、アメリカの本当に代表するバンドとして、なんだかバッファローとかなんとかいっぱい野生動物を引き連れてのツアーとかそういうようなことが話題になりつつも、本当に自分達のスタイルは一切変えないでここまでやってきて、いまのZZ Topの曲は本当にビックビートな佇まいがありますけれども、じゃあ本来の自分達のスタイルを裏切ってヘンテコなことをやったのかというとそんなことはないんですよね。考えてみれば、ビックビートの連中だってヒップホップの連中だって、基本的なロックンロールサウンドやブルースサウンドをサンプリングして自分達の音楽に取り入れているわけですから、ZZ Topがそれをやればそのまんまなわけでありまして、そのへんの本当に基本に返った、このアクチュアリティのある佇まいはエライ!!聞いてビックリしました。30年というとですね、ちょうど私の評論家キャリアと同じという感じでしてね、私も負けていられないという、だんだん言い方がオヤジくさくなってきましたので曲の方に行きたいと思います。Poke Chop Sandwich。



 こういう音を聞くと本当に励まされるというか、ベテランミュージシャンがどうシーンの中でサバイバルしていくのかというのは結構重い課題ではあるんですけれども、こうやればいいんですよね。どんどん新しい時代の音を自分達の中に取り込んでいけばいいわけで、しっかりロックンロールなりブルースなりなんでもいいんですけど本来のまっとうな道を歩んでいけば時代の音はいくらでも自分の中にとりこんで変えていくことができるわけで、その最大の成功例がローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)という本当に怪物のようなバンドがいるわけで、彼ら自身が常に新しいプロデューサーを導入して自分達の音を骨董品にならないように作り変えていくというあのやり方は本当に正しいと思いますね。今回のZZ Topはその上を行くという感じがして、ここまで大胆にやっていいのかという感じもするし、逆にいえば、ZZ Topの音ってこういうことをやっても全然大丈夫だなぁって改めて認識させられると思います。こういうことをガンガンやればいいというベテランミュージシャンも本当に数多くいて、ロックミュージシャン40代50代になってそれなりにきつい局面にたつことも多いですけれども、こういう音をきいて励まされるというか、私は友人の日本人のロックミュージシャンの中に何人もこのZZ Topを聞かせたい奴がいますね。実名を挙げると殴られるんでやめますが。これは王道のブギーナンバーですが、それでもこれでけかっこいいという。Fearless Boogie。




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