world rock now 19991217
佐藤めぐみ「ノトーリアス・B.I.G.のラストアルバムがリリースされました。」
渋谷陽一「ノトーリアス・B.I.G.はこの世にいないんですけど・・・。」
佐藤「2年半前にドライブバイシューティングで撃たれてなくなったラッパーなんですけれども。その亡くなった時がキャリアのピークで史上最高のラップアーティストといわれて、そういうタイミングに亡くなってしまったんですよね。亡くなって2年半の間影響力が全く衰えていないんですよね。亡くなった直後にリリースされたアルバム「Life After Death」も400万枚以上売れて、全く神通力が衰えていなくて、とにかくビギーの新しいアルバムがでたらみんな欲しいという状況のなかで、今度ニューリリース「Born Again」というアルバムがリリースされました。どういう内容かというと、もう彼は亡くなってしまっていますので、ビギーの短いキャリアの中でのラップのアウトテイクとかデモテープとかをトラックだけ新しくして、プロデューサーはもちろんパフ・ダディで、まるでフランケンシュタインを作るかのようにつぎはぎで作ったというそういう風なものであります。ゲストは結構豪華なゲストで、Snoop Dogg、Ice Cube、Nas、Lil' Kim、Missy Elliott、Eminemまで参加していて、さすがグレーテストラッパーの名に恥じず、彼を慕うビックネームが揃ったという感じです。内容の方は、「Life After Death」に完成度というか、あの手の切れそうなエッジな部分には及ばないんですけれども、とにかくビギーの声がここで新しいものが聞けるということはうれしくなるなと私も含めてみんな思っております。やっぱり彼に勝るラッパーはまだ現れていないと思うんですよ。才能とか、パーソナリティーとか、リアリティーとかで。しかも、リアリティーがあってコマーシャル性があるという矛盾したものがちゃんとあるという、この辺はパフィーの力の賜物ではあるんでしょうけれども、こういうアーティストはまだ現れていないですね。」
渋谷「それでは、その話題のアルバムからパフ・ダディの手による、そしてリル・キム(Lil' Kim)
が参加している、布陣だけでも非常にコマーシャルな佇まいなんですけれども、タイトルも物凄いナンバーを聞いていただきたいと思います。Notorious B.I.G.。」
渋谷「しかし、パフ・ダディ。やることがあざといというか。Notorious B.I.G.というタイトルをつけ、しかもデュラン・デュラン(Duran Duran)のNotoriousを使うという・・・。誰もが考えるけれどもこれだけはやってはいけないなぁと思うことはいきなりやってしまうという・・・。しかも、いきなり直球を投げるという・・・。やっぱりこれですよね。世の中で成功する人の秘訣というのは。改めてビックリしましたけれども。」