ラジオFMのメモ

NHK-FMWorld Rock Nowでの渋谷陽一氏の解説で面白かったものをメモしてゆきます。

パール・ジャム (Pearl Jam)に学ぶ白人ロックとは?

world rock now 20000505

 パール・ジャムが待望のシングルを出してくれました。パール・ジャムというのは白人のロックというのが不可避的に白人のロックにならざるを得ないという局面というのをgiven to flyで非常に明確に表現してくれた、その一点において私はすごく励まされたし、改めてロックってこれだなぁって気になったんですけれども、今回はもっといっています。すごいです。これぞロックという。周りがなんと言おうが俺はこれで行くぞという。Nothing as It Seems。



 すごいですね。もはやサンタナ(Santana)さえ弾かなくなったようなベタベタなギターで、これは盛り上がりますね。白人ロックというのは、ある意味で白人中産階級の情けなさみたいなものを象徴していて、そこが持っている過激さとせつなさを不可避的に表現しているものだと思うんですよね。黒人音楽のものまねをしているけれども黒人音楽になりきれない。だからといって、まねっこだからつまらないではなくて、そこになにがしかのリアリティーがあるというそういうものだと僕はおもっています。ですから、ブルースロックからの転換の中で白人ロックというのは自分達のスタイルを多く作ってきたわけですけれども、例えばロバート・ジョンソンがギターのフレーズで一瞬で大量の情報を表現しきれたものを、そういう風には弾けない情けなさ。過剰なセンチメンタリズムと過剰な情緒をぶち込みながらそこに白人のリアリティを獲得してゆくというのがロックの方法論であったわけでありまして、そこにはリアリティはあるけどかっこ悪さもあって、そこを見つめないといけないと思うんですよね。かっこいい方をチェックするのも大切ですが。どちらかというとそこにどっぷりつかってしまうとただ単に情緒的でつまらない音楽になるわけですが、そこにどっぷりつかりながらコアなものを表現していくのが大切で、その辺をグランジというのはもういっぺんとらえなおして、ニルヴァーナ(Nirvana)なんてそれをもっともすばらしく表現したアーティストだと思うんですけれど、その正攻法の方法論をいまだパール・ジャムというのは正当に受け継いでより一層すごいところにいっているなぁという手ごたえをこのシングルによって感じることができました。Insignificance。




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