ラジオFMのメモ

NHK-FMWorld Rock Nowでの渋谷陽一氏の解説で面白かったものをメモしてゆきます。

ジャニス・ジョプリン(Janis Joplin)のラストアルバム「Pearl」について

world rock now 20000714

 今回の作品は1969年に発表されましたジャニス・ジョプリンのラストアルバムの「Pearl」であります。ジャニス・ジョプリンというとロック史上最大の女性ボーカリストであり、いまだに伝説として語り継がれ、僕は彼女の活動を同時代として体験したんですけど、僕にとってももっとものめりこんだ女性アーティストでありました。本当にすばらしいアーティストだったと思うし、僕は一番最初にお金を出してきっちりロックのアルバムを買った数枚のうちの一枚がジャニス・ジョプリンの「Cheap Thrills」だったというのは、かなり鮮烈に高校時代の思い出として残っています。この「Pearl」というアルバムは彼女が結局27歳でドラッグのオーバードーズで死んでしまうんですけれども、製作中に彼女は亡くなってしまい、このアルバムの中には、生きながらブルースに葬られて(Buried Alive In The Blues)という、ボーカルが入っていないインストだけのナンバーがあったりするんですけれども、ラストアルバムであると同時に彼女の最高傑作であり、ロック史上に残るロッククラシックとしてこれからずっと聞き継がれ語り継がれていくものすごい作品だと思います。まずはオープニングのMove Over。



 前にも言ったことがありますけれども、私は恋愛において男が女に勝てるわけがないという説をもっておりまして、それはアマチュアがプロに勝てるわけはないというそういうところからきてるんですけれども、続いて聞くCry Babyというナンバー、Cry Babyというとなんとなく女の子に歌ってるみたいなんですけれども、実は女の子が男の子に向かって歌っているナンバーでございまして、自分の付き合っていた男が他の女に走って出ていいたけど、その女に振られて戻ってきた。そのときに、「あなた私の前で泣きなさい」と、これはなかなか男にとっては重いナンバーなんですけれども、それをジャニスが歌うとめちゃくちゃ感動的なナンバーになるんですよね。Cry Baby。



 本当に30年以上前の作品なんですけれども、いまさらながら永久にジャニスを超える女性ボーカリストはロック史の中に生まれてこないのかなぁというそういう感じを新たにもったわけでありますけれども、一番最初に聞きましたMove Overというナンバーは彼女のオリジナルナンバーですが、Summer timeとう彼女の非常に有名な作品がありますがこれは誰でも知っている他人のナンバーなわけでありますし、今の楽曲Cry Babyもそうなんですけれども、他人の楽曲を彼女が歌って結果として自分のものにしてしまうというのは、すごく彼女のシンガーとしての能力、表現者としての能力のすごく破格な所だと思います。このパールの中には、Me And Bobby McGeeというクリス・クリストファーソン(Kris Kristofferson)の非常に有名なナンバーがあって、ナンバーワンヒットになっておりますけれども、これはもう誰が聞いてもジャニスのナンバーとして延々語り継がれていくそういうナンバーだと思いますし、誰が作っていても歌を歌うという行為によってすべて自分の作品にしてしまう、それだけの存在感、表現能力、表現というのは何も曲をつくるだけではないのだという、ロックシンガーとしてのパフォーマンスとは何かをロック史の中に刻み込んだ、そういうアーティストだったと思います。もう一曲ボビー・ウーマック(Bobby Womack)のナンバーですけど聞いてください。Trust Me。




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