world rock now 20010112
伊藤政則「2001年、今年の真面目な傾向として20世紀のレガシーを。」
大貫憲章「レガシーって最近よく使うね。」
伊藤「好きなんだよ。」
渋谷陽一「大仰な前フリはいいんだよ。何がでてくるの。」
伊藤「AC/DC!!19年ぶりにやってくるんだよ!!」
渋谷「結局AC/DCかよ。」
伊藤「ロックの基本はミニマニストなんだよ。つまりどんな複雑なことをやっていても・・・。」
渋谷「ミニマニスト。反復ですよね。」
伊藤「アンガス・ヤング(Angus Young)が言ってることは、どんな音楽でも一つ一つわけていけばシンプルでダイレクトな音になると。厚化粧したような音楽がすばらしいと世の中で言っている人がいるけれども、基本がわかっていないと。若いやつに言いたいと。」
大貫「厚化粧した音楽ってどんな音楽なの?」
伊藤「厚化粧した音楽・・・。考えとく。」
伊藤「19年ぶりの日本公演の初日というのが、これを歌ってるボン・スコット (Bon Scott) の21回目の命日なんだ。ということで一応選曲してるんだけどね。ボン・スコット知ってる?」
大貫「知ってますよ。初代のボーカルじゃないですか。」
伊藤「じゃあ聞いてください。Highway To Hell 。」
渋谷「AC/DCでハイウエイ・トゥー・キル。」
伊藤「ハイウエイ・トゥー・キルじゃない。ヘルだよ。渋谷もう少し真剣に自分の番組やってよ。」
大貫「心はいってないよな。」
伊藤「ぜんぜんはいってない。もうちらっとながめてハイウエイ・トゥー・キル。信じられない。恐ろしいよ。」
渋谷「だけど、期待通りの選曲でありがとうございました。」
伊藤「19年ぶりの来日だよ。19年間日本に来てなかったわけじゃない。その間にいろいろ音楽シーンもかわっていったけど、AC/DCだけはかわっていないよ。多分この世の中で変わっていないものはAC/DCとStatus Quoだと思う。Motorheadもいれて。」
大貫「変わってないかもね。」
伊藤「この三つは変わってないよ。」
大貫「変わりようがないんだよな。」
伊藤「違う。国宝は変わっちゃいけないんだよ。」
大貫「国宝かよ。」
渋谷「だけど、AC/DCの変わらなさといのは、その中でも一番国際性と商品性が保たれているのがすごいですね。いまだに超大物じゃん。」
伊藤「だってね、ヨーロッパやアメリカなんてAC/DCがコンサートやるといまだに何万人のところでずっとやっているのよ。」
大貫「日本はどこですか?」
伊藤「横浜アリーナ。」
伊藤「だからね。いいこといってたよヨーロッパのファン。三代くらいの家族で来ていて、お父さんからお兄ちゃん、お兄ちゃんから妹へと語り継がれていく。日本は語り部がいなかったんだよ。19年間AC/DCを語る人が。」
大貫「あなたがいたじゃないですか。」
伊藤「俺だけなんだよ。大貫さんは語り部は?」
大貫「いや、AC/DCは時々思い出したりすることはあるけど・・・。」