ラジオFMのメモ

NHK-FMWorld Rock Nowでの渋谷陽一氏の解説で面白かったものをメモしてゆきます。

ジュラシック5 (Jurassic 5)に学ぶ、ヒップホップはオタクの音楽である説

world rock now 20021011

 ジェラシック5でBreak。



 ジェラシック5は西海岸出身のヒップホップバンドで、ジェラシック5って言うんですけれども実際には6人います。4人のMCと2人のDJによって構成されました6人組のバンドで、なぜかアメリカ本国よりも日本やイギリスあたりで紹介されて盛り上がっているという構造を持ったグループでございまして、今きいていただきますとよくわかるとおもうんですよね。ある意味で今の先端的なコアでディープでハードなそういうヒップホップと比べるとなんかのどかだなぁ、平和だなぁというのどかさと、非常に音楽的に楽しいしすごく洗練されているし、ある意味でバックトラック重視型のそして音楽的なメロディーラインやハーモニー重視型のヒップホップという感じで、僕らにとっては非常に馴染みやすいスタイルなんですけれども、アメリカにおけるヒップホップの主流、そして先進国であるアメリカでのヒップホップの聞かれ方とちょっとズレてるのかなぁという気がしますけれども、こういう佇まいというのは日本のヒップヒップファンというか音楽ファンにとってはすごくリスナーフレンドリーな感じがしますよね。After School Special。



 ジェラシック5のポリシーはサンプリングするときに絶対オリジナルのファーストプレスしか使わないというこだわりがあるらしくて、オタクだなぁみたいな感じがするんですけれども、ヒップホップというのは非常にシンプルでメッセージ性があって言葉によるコミュニケーションをすごくダイレクトに表現している音楽スタイルといえますが、逆に言うとサンプリングというスタイルを考えると限りなく音楽オタクな表現スタイルでもあるんですよね。いろいろな音楽のリズムトラックだけとかギターのフレーズだけをもってきてそれをバックにループさせたりして自分達のトラックを作っていくわけですけれども、そのネタをどこまで知っているのか、あるいはこの曲のここだけ使うのはカッコいいみたいなそういうオタクな競い合いという要素がすごくあって、まさにこのジェラシック5はそのへんの情報とスキルを誰よりももっていて、それを競い合いたいという、まあロックオタク、ファンクオタク、音楽オタク、レコードオタクというような人たちの集団でもあるんですよね。その辺の非常に巧妙なトラックのつくり方と全体の音作りみたいなものがわりと日本人の洋楽ファンなんかには通じるものがあるんじゃないかなぁと。そういう人たちが作る音楽というのは、僕らは言葉がわかりませんから、ヒップホップのシリアスなメッセージよりも彼らの音楽的なメッセージの方がダイレクトに伝わってくるんじゃないかなぁと。そういった意味でジェラシック5は日本で人気が高く、アメリカと社会状況が違うイギリスあたりでも人気がある原因ではなかろうかという感じがいたします。Hey。



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