ラジオFMのメモ

NHK-FMWorld Rock Nowでの渋谷陽一氏の解説で面白かったものをメモしてゆきます。

マティスヤフ(Matisyahu)に学ぶラスタファリアニズム (Rastafarianism)の理想と現実

world rock now 20060623

 マティスヤフでIndestructible。



 マティスヤフは敬虔なユダヤ教の信者でもあり同時にラスタファリアニズム、これはレゲエを語るときには必ず出てくる言葉ですけれども、ラスタファリアニズムともつながっているアーティストであります。ユダヤ教とラスタファリアニズムってどう関係があるのと日本人にはちょっと驚いてしまうんですけれども、もともとユダヤ教というのは旧約聖書をしっかり読んでいこうという思想なんですけれども、ボブ・マーリーなんかも強く主張していたラスタファリアニズムというのもハイレ・セラシエ1世というエチオピアに出現した王様が世界を救ってくれるから僕達もエチオピアに帰って本来の王国に戻ろうという考え方で、これも旧約聖書をきっちり読んでそれと向き合おうという姿勢に基づいている考え方なので、マティスヤフの中では折衷主義というよりは統一的に理解されて、自分の敬虔なユダヤ教の信仰とラスタファリアニズムというのが自分のかなできっちり統一されていて、彼の中ではレゲエのラスタファリアニズムをきっちり実現していこうと、自分自身の音楽活動とユダヤ教の敬虔な信者であるという彼自身の生き方というのはまったく矛盾することではないのであります。どの歌詞もすごく彼自身のまっすぐな意志と彼自身のまっすぐなメッセージ性、いまどきここまでまっすぐなものはあるのかというくらいまっすぐな言葉がすべての歌詞に貫かれています。アルバムタイトルナンバーでYouth。



 すごい音楽的な才能があるということは音を聞いていただきましたみなさんにも十分理解していただけると思います。基本的に彼の主要トーンではありませんが、この番組ですのでロックよりポップスよりの一般的な音楽ファンに届きやすいナンバーを聞いていただきたいと思います。What I'm Fighting For。



 最初にラスタファリアニズムとしてちらっと説明しましたけれども、エチオピアに帰れという思想なんですけれども、BBCの番組を見ていたらやっぱりラスタファリアニズムの現状としてはそんなに隆盛をほこっているわけではなくて、ジャマイカでラスタファリアニズムを信じてそのまんまラスタファリアニズムを実践する形でエチオピアに来てコミューンを作った一連の人たちがいるんですが、現実的にはエチオピアではそれらの人々は手に余ってしまってその地域にいるかなり異質な人たちとして扱わざる得ない。彼ら自身も孤独な、一種のヒッピーコミューンみたいな状態のなかで生きていかなければならないという現実というものがドキュメントとして報道されていて、なかなか現実というのは厳しいものなのだなぁという感じがします。ただ、こうした形でラスタファリアニズムというのが常に言われていきますと、それからレゲエというのが音楽シーンの中で相変わらず隆盛を誇っているということからエチオピアに観光客がドンドン来てエチオピア自身が観光産業として潤うという側面もあり、レゲエとしての産業、それからラスタファリアニズムのエチオピアでの扱いの難しさというものがありながら、ただレゲエパワーによってエチオピアでのラスタファリアニズムに対する視線も変わってきているという報道もありました。マティスヤフの出現はそういう状況に対してなにがしかの影響を与えるのかなぁという気もします。

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