ラジオFMのメモ

NHK-FMWorld Rock Nowでの渋谷陽一氏の解説で面白かったものをメモしてゆきます。

ジョニー・キャッシュ(Johnny Cash)の最期

world rock now 20060721

渋谷陽一「ジョニー・キャッシュというとアメリカでは伝説的なカントリーシンガーとして知られているんですが、日本ではあまり知ってる人は多くないですよね。ただ「Walk the Line」というアカデミー賞をとった映画で多少知られるようになったんですけれども、アメリカではやっぱり神格化されたアーティストなんでしょうか。」

中村明美「実は90年代のはじめあたりまでは日本と同じような状況で、名前は知ってるけど誰だっけみたいな状況だったんですよ。それを「俺はアメリカでナンバーワンのファンだ」と言うプロデューサーのリック・ルービン (Rick Rubin)が「俺は彼をもう一回復活させるんだ」といって「リック・ルービンですがあなたのアルバムをプロデュースさせてください」とそこから始まった企画が「American Recordings」です。これはジョニー・キャッシュにいい曲をカバーしてもらおうという目的で1993年くらいに始まったわりと地味な企画ではあったんですが、割と長く続いていて2002年に第四弾が出まして、この中にナイン・インチ・ネイルズ(Nine Inch Nails)のHurtをカバーした曲が入っていて、これがミュージックビデオになったんですよ。これが大ヒットしましてこの企画がジョニー・キャッシュとともに脚光を浴びて、今の若い世代が始めてジョニー・キャッシュを知るきっかけになったんですね。このミュージックビデオも今となってはロック史上ナンバーワンのビデオというものになったんですけれども、この第四弾を作り終えてからも第五弾にむけてレコーディングが進められていたそうなんですが、ジョニー・キャッシュ自身も病気でだんだん目が見えなくなってきて、もう動けないような状態で車椅子でレコーディングが細々と続けられていたみたいなんですよ。あるとき奥様が亡くなられて、その翌日にリック・ルービンのところにジョ二ー・キャッシュから電話がかかってきて「仕事をくれ。俺は仕事をくれなかったらそのまま死んでしまうから。」といって、このレコーディングが続けられて彼の遺作となったLike the 309と言う曲がこのアルバム「American V: A Hundred Highways」に収録されることになりました。」

渋谷「これはつまりジョ二ー・キャッシュ自身のオリジナルということで、このシリーズは本来はカバーシリーズだったんですけれども、彼自身の本当に最後のオリジナル曲がこのアルバムにおさめられ、そして映画の大ヒット等々もあってアメリカ国内でのジョニー・キャッシュ熱も高まり、このアルバムが本当にチャートに一位になったと。リック・ルービンの本当にいい仕事だったなぁという感じですね。それではジョニー・キャッシュの最後のオリジナルナンバーを聞いていただきます。Like the 309。」



world rock now 20060825

 ジョニー・キャッシュのリック・ルービンがプロデュースした彼にとっての遺作になります。最後のオリジナル作品となったLike the 309はオンエアーしましたけれども、それ以外にアルバムにはカバー曲がたくさん入っていまして、このアルバムがアメリカで初登場一位というすごいチャートアクションを記録しまして熱狂的に迎え入れられたわけですけれども、本当にすばらしい作品で、それこそ死を目前にしたジョニー・キャッシュが自宅であるいはスタジオで自分ができる範囲で歌ってそれにリックルービンが必要最低限の音をつけたというシンプル極まりない作品なんですが、音楽のもつ力あるいは歌のもつ力といったものをあらためて聞くものに認識させるすばらしい作品になっています。カバー曲が多いんですけれどもまずはブルース・スプリングスティーン(Bruce Springsteen)のナンバーを聞いてください。Further On (Up the Road)。



 続いてはハンク・ウィリアムス(Hank Williams)のナンバーをカバーしているわけですが、これは死んでしまった母親の棺を列車が運んでいくそのシーンを子どもの視点で描いたなかなか切ないナンバーであります。On the Evening Train。



 続いてはラブソングであります。ロッド・マキューン(Rod McKuen)のナンバーをカバーした素敵なラブソングであります。Love's Been Good to Me。



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