ラジオFMのメモ

NHK-FMWorld Rock Nowでの渋谷陽一氏の解説で面白かったものをメモしてゆきます。

デヴェンドラ・バンハート(Devendra Banhart)に学ぶロックに民族音楽を導入することの功罪

world rock now 20071116

 今アメリカで大変注目されているフリーフォークシーンのヒーローであるデヴェンドラ・バンハート。実はこのアルバムは彼にとって5枚目でキャリアそのものは長く、2006年のサマーソニックには来日して日本のファンの前で演奏している、日本のファンにとっても今出てきたというアーティストではないんですけれども、デヴェンドラ・バンハートはアメリカでも日本でも今は旬な時期を迎えていて注目されているようであります。彼はいろいろなところで育ったという自分自身のキャリアがあり、単純にポップロックだけではなく、いろいろな音楽的要素を自分の中に詰め込んでそれを自分独自の世界で表現している、彼のオリジナルな世界が非常によく表現されている最新アルバムからいろいろ聞いていこうと思います。まずはこの曲から聞いてください。Shabop Shalom。



 もともとはテキサス州ヒューストンで生まれたんですけれども、その後は家族の事情とかいろいろあって、ベネズエラはカラカスの移住してその時の体験が彼の中で大きく影響しているようです。いわゆる欧米のポップミュージックだけではなくていろいろな国の音楽みたいなものが自分の中に取り込まれていてそれがいろいろな形で出て、そういう独特のインプットとアウトプットを持ったアーティストのようでございます。最初に私はこのアーティストを紹介されたときに、欧米のポップミュージックのワールドミュージックがいろいろ取り入れられてその民族音楽のすばらしいところが云々・・・といわれて、ダメだそれは、俺はそういうアーティストは嫌いなんだよと思ったりしたわけでございます。よくこういう風に、ロックを自分達の世界だけに閉じこもらずに世界中にすばらしい音楽があるわけだからその民族音楽のすばらしさをもっと学習して取り入れた方がいいよ、みたいなことを言われると本当に私はムカついてですね、それは民族音楽がすばらしいのは百も承知で日本にも民謡があってそれが世界に通用するクオリティーがってとかいろいろありますが、それいってるんだったらその民族音楽を聞いていればいいわけで、ロックというのは金とかいやらしい思惑でぐじょぐじょになった超資本主義的な世界の中にものすごく面白いものがあるというのがロックの独特なもので、ロックに倫理性や道徳性を取り入れて世界の音楽が云々という奴はろくなもんじゃねぇ、みたいなそういう思い込みが私は昔からあります。しかし、デヴェンドラ・バンハートはそんな所にはいません。ただメチャメチャです。とにかく世界中のよい音楽をどんどん取り入れて民族音楽的な良さがどうのこうのみたいな講釈も論理も何にもありません。自分が面白ければなんでもいいと。実に健全なロックな佇まいのアーティストで、全編聞いていてすごく面白いなぁと思いましたね。一曲ピックアップしてもそれぞれ全然違う要素があって、一曲だけでは伝えきれないんで選曲に困ったんですが、自分が面白いやと思った曲を選ばせてもらいました。それがデヴェンドラ・バンハートに対する一番正しい姿勢だと思います。Bad Girl。



 録音がすごくいい加減な雰囲気だったんですけれども、もともとバンドのメンバーと一軒屋に住んでワニャワニャやりながら音楽作ったり、別のミュージシャンがそこに来て誰が誰だか分からないみたいな感じで暮らしてるみたいですけれども、ヒッピーカルチャーがまさにここに生きているのかなぁという感じがしますけれども、デヴェンドラ・バンハートはいろいろなキャラクターがあって、それぞれの切り口で音楽を楽しめるんですけれども、逆にいえばいろいろな聞き手がデヴェンドラ・バンハートのここにツボがあるみたいな自分自身の音の好みみたいなものがこのアーティストを聞いているとよくわかるみたいな感じがありますけれども、僕自身はデヴェンドラ・バンハートのわりとファンキーな部分に惹かれたようでございます。Lover。




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