ラジオFMのメモ

NHK-FMWorld Rock Nowでの渋谷陽一氏の解説で面白かったものをメモしてゆきます。

カニエ・ウェスト(Kanye West)、歌はイマイチ

world rock now 20081212 

 カニエ・ウェストの最新作「808s & Heartbreak」を紹介したいと思います。まさにアルバムタイトルHeartbreakという言葉が入っているんですけれども、これは彼自身が婚約者と別れたということが大きなモチーフになっていますが、それよりも大きいのがもともと大学の先生をやっていたお母さんがカニエが芸能活動をすることになってマネージメントを手伝っていて、まだ56か57くらいの若い人だったんですが、ハリウッドの整形美容手術をやってその合併症かなにかで突然なくなってしまって、愛するお母さんを失ったということがものすごくカニエにとって大きい事件で、それがこのアルバムの基本的なトーンを決定している作品でございます。今までの華やかなカニエの佇まいよりももうちょっとセンチメンタルで、何よりも歌物の作品になっております。まずはアルバムのオープニングナンバーから聞いていただこうと思います。Say You Will。



 続いてはアルバムのエンディングナンバーを聞くんですが、ある意味一曲目とラストナンバーがこのアルバムの基本トーンを決定しているような気がするんですけれども、Coldest Winter、もっとも寒い冬というタイトルでございます。お母さんが亡くなったという話をしましたけれども、カニエ的にはハリウッドに来て成功して、それが彼女にものすごい高額の美容整形のチャンスを与え、それがあることによって彼女自身が死んでしまったという自責の念に彼は強くさいなまれていて、そうした思いがこのアルバムを作らせている大きなファクターにはなっているんですよね。そんなことを思いながらこのColdest Winterの詩の朗読を聞いていただきたいと思います。

  物悲しき夜僕は消えかかる
  彼女の愛は1000マイル向こう
  思い出は凍てつく冬に作られた
  さようなら僕の友達
  これから僕は愛するだろうか
  思い出は凍てつく冬に作られた
  午前四時僕は眠れない
  見えるのは彼女の愛だけ
  さようなら僕の友達
  これから僕は愛するだろうか
  春に雪解け水となるならば
  僕たちの過ちも全部洗い流してくれるのだろうか
  思い出は凍てつく冬に作られた
  さようなら僕の友達
  僕はもう二度と愛さない
  もう二度と



 かっこいいですよね。このトラックものすごいと思います。言っちゃいけないことなのかもしれませんけれども、歌がもうちょっとよかったらなぁっていう・・・。君の作ってるトラックは歌詞にものすごい歌唱力を要求してるんだけどなぁ。ちょっと歌いきれていないんじゃないかなぁと。でも、いままでのカニエとはまた違う形で、またいつものようにビックマウスのカニエ・ウエスト。「俺はこのアルバムを作ったのはチャートの一位になることだ」というようなことも言ってますけれども、彼自身の思いがこのアルバムの中に込められている、そんな感じがいたします。 
  

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