world rock now 20081219
伊藤政則「ガンズ・アンド・ローゼズ、17年ぶりですよ。」
大貫憲章「出ました。」
伊藤「信じられないね。」
渋谷陽一「信じられないですね。」
伊藤「毎年この時期になるとロックシーンの十大ニュースで、一位、ガンズまた出ないって17年くらいずっと。」
大貫「出ないことがニュースなの。」
伊藤「そう。」
大貫「出ると思ってるんだ。みんなは。」
渋谷「いや、多くの人は出ないと思ってたと思うな。俺は出ないと思ってたよ。」
大貫「俺もでないと思ってたもん。」
伊藤「だから、今年は一位がついにガンズが出たって。」
大貫「出ても出なくても十大ニュースに入るんだ。」
伊藤「それだけガンズ・アンド・ローゼズっていうのはセンセーショナルな話題を持ったバンドであるんだよ。今だにね。」
大貫「それ以降のバンドで話題を集めるバンドっていうのはハードロック、ヘヴィメタルシーンにもそれほど多くないってことですか。」
伊藤「間違いないでしょう。ただね。これはいろいろ意見があって、アクセル・ローズ(Axl Rose)のソロじゃないかとかね。だってアクセルしかいないんだから。しょうがないよね。だけど、俺はいい曲をずいぶんそろえたなとは思ったよ。」
大貫「いいの名前使って。ガンズ・アンド・ローゼズはアクセルが持ってるの?」
伊藤「持ってます。」
渋谷「いいのってやってるじゃないか。」
伊藤「あなたが、ザ・クラッシュ(The Clash)っていうバンドを作ったらそれはみんな怒るよ。」
大貫「そうじゃなうて、ジョー・ストラマー(Joe Strummer)一人でザ・クラッシュって名乗ったら俺は納得いかないんですよ。ジョーもそのつもりはないからメスカルロスにしたんだろうと思うんですけれども。」
伊藤「渋谷さん、このアルバムはどうですか。」
渋谷「まず、正直出るとは思っていなかった。出たことに驚いたのと、本当に作ってたんだ。要するに、この数年でババッと作ったんじゃなくて、1曲に1年くらいかけてるんじゃないかと思う曲がずっと並んでいるから、真面目に17年間1曲1曲積み重ねたんだなぁと。」
伊藤「本当に製作は14年くらい。」
大貫「構想何年で製作14年みたいな。すごいね。」
伊藤「レコードスタジオを14年間ロックしていたんだよ。」
渋谷「「Chinese Democracy」っていうアルバムタイトルは当時からあったわけでしょ。ぶれてないわけ。アルバムジャケットなんかもまさにそのままで、十何年前に思ったことを本当に17年の時間をかけて一個一個作ったんだなぁと。聞いてみるとこれギターのテイクが200テイクくらいあるんじゃないのみたいな感じの曲ばっかりなんだよ。」
伊藤「今のデジタルでいろいろな音楽をデータの中に入れることができる時代だからこのアルバムができたのかなと。逆に言うと、ファーストアルバムのような爆発力はないんだよ。人間のエネルギーだけで作ってる感じは。」
大貫「生音の感じはね。」
伊藤「すごく作りこまれているアルバムだけど、今渋谷陽一さんがおっしゃったように、ついに出たということで年の終わりにはかけざるをえませんね。それではガンズ・アンド・ローゼズのニューアルバムからChinese Democracy。」