ラジオFMのメモ

NHK-FMWorld Rock Nowでの渋谷陽一氏の解説で面白かったものをメモしてゆきます。

シューゲイザー、ロックの快感原則に従って様式化する

20101015

 アミューズメント・パークス・オン・ファイア(Amusement Parks on Fire)のやっているシューゲイザーというスタイル、洋楽ロックファンしか知らない一種の業界用語になるのかもしれませんが、このシューゲイザーというスタイルもロックの快感原則に従って様式美となったものの一つと言えるかもしれません。シューゲイザーというのは、まさに靴の先っぽを見て下にうつむきながらギターをガーって弾く、そういう音楽スタイルから生まれた言葉でありますけれども、非常にノイジーで分厚い壁のようなギターサウンドをバックに、非常にメロディアスでドリーミーなボーカルを組み合わせて独特の耽美的な世界を作っていくという、日本のロックファンが好きな世界ですが、あまり私は得意なパターンではないのですが、そういう音楽的スタイルがあるのでございます。それの代表選手と言われるのをアミューズメント・パークス・オン・ファイアは嫌っているようでありますけれども、現実的にはそういうバンドの代表的な一つという認識がファンの中にもありますし、ロックファン全体の中にもあるのではないのでしょうか。彼らはシューゲイザーブームが起きているこの4年間は沈黙を続けて、今改めて新作を発表したという、そういう新作を紹介したいと思います。Echo Park // Infinite Delay。



 彼らとしては世の中のシューゲイザー再評価ブームみたいなものとは距離をおいて、自分達独自のジャンルわけに属さない音を作ろうと、そんな意気込みで臨んだ作品のようでございます。それは、共同プロデューサーを、ベック(Beck)やブラック・レベル・モーター・クラブ(Black Rebel Motorcycle Club)、そしてリンプ・ビズキット(Limp Bizkit)といった全くシューゲイザー的なものとは違うアーティストを手がけた、マイケル・パターソン(Michael Patterson)に任せたということから、彼ら自身の意気込みとそこへ向かって行こうとしているのかが分かると思います。しかし、そういう作品に対してこういう言い方はきっと怒られてしまうと思うんですけれども、それがより成功して、よりモダンなシューゲイザーができたという感じがしますね。シューゲイザーがシューゲイザーとして自己充足していくのではなくて、ちゃんとシーン全体と向き合いながら2010年のシューゲイザーの音を作り上げていくという方向にこのアルバムは向かっていて、それがすごくいい結果を招いていると思います。そしてそれは、外部の人を入れて自分達なりにイノベーションを実現していこうという彼らの姿勢がもたらしたものだと思います。そんな姿勢がよくわかる曲を聞いてください。So Naturally。




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