ラジオFMのメモ

NHK-FMWorld Rock Nowでの渋谷陽一氏の解説で面白かったものをメモしてゆきます。

ブライアン・フェリー(Bryan Ferry)に学ぶ、アーティストにはアーティスト独自の時間軸がある説

20101105

 ブライアン・フェリーといえば今年の夏、フジロックでロキシー・ミュージック(Roxy Music)来日公演をやりまして、客が全然いなくて、ちゃんとみんなもっと見て欲しいなぁという思いで、ステージ前におじさん達がたくさんたまっておりましたけれども、私もそのおじさんの一人でしたが、でもすごく楽しいライブで、代表的な曲を全部やってくれて大満足だったわけでありますけれども、ブライアン・フェリーはロキシー・ミュージックの活動も積極的ですけれども、ブライアン・フェリー名義のソロ活動も積極的に向き合っているようであります。今度の作品はすごく力のはいった作品になっております。まずは一曲聴いてください。You Can Dance。



 ロキシー・ミュージックが再結成され、そしてフジロックに登場してものすごく気持ちよさそうに演奏して、みんなが聞きたい代表曲を全部きっちりやってくれて、ブライアン・フェリーはのびのびと、そして本当に楽しんで演奏を繰り広げている感じでありました。そういうのを見ながら、アーティストというのは自分の年齢やサイクルの中で、自分の過去のキャリアとどう向き合うかっていうタイム感があるんだろうなぁと。例えば、ロキシー・ミュージック解散して5年後、10年後はできない。我々としてはすぐにやってほしいと思うんだけれども、本人のリアルの中においてはもっと長い月日が必要だと思うし、自分自身のキャリアをどうやって組み立てていくのかということは、はたから見てるとそうやればいいのにということがなかなかできないんだろうなぁとそんな感じがしました。そして今、ブライアン・フェリーは自分の過去と自分の現在のすべてを含めて音楽に対して前向きに向き合えている、そういう手ごたえがあのロキシー・ミュージックの再結成にも、今度のソロアルバムにも感じられます。そして、そのオーラがこのアルバムで実にたくさんの人を呼び集めました。デヴィッド・ギルモア(David Gilmour)、ジョニー・グリーンウッド(Jonny Greenwood)、ナイル・ロジャース(Nile Rodgers)、プライマル・スクリーム(Primal Scream)のマニ(Mani)、レッチリ(Red Hot Chili Peppers)のフリー(Flea)、そしてなんとブライアン・イーノ(Brian Eno)までこのアルバムは参加していわけです。過去、ブライアン・フェリーが長く、もしくは一瞬関わったアーティストをみんな集めてこういう作品が作られているということはなんとなく感慨深いと思います。特に、ロキシー・ミュージックファンにとっては、ブライアン・フェリーとブライアン・イーノが一緒にやるんだっていうことはいろいろなことを考えさせますよね。この曲ではブライアン・イーノがシンセで参加しております。Alphaville。



 アーティストはアーティストの時間軸で自分自身の音楽のスタイルと向き合っていて、はたから見るとこの時期にこれをやればいいじゃんと、誰でも分かることなのにアーティストはやらずにファンやジャーナリストはイライラしますけれども、そんな簡単な話ではないんですよね。そのアーティストにはそのアーティストの表現の必然みたいなものがあって、それをやる時期というかタイミングというかがあるんですよね。そして、そこが来ないとやれないという、そういうものなんだなぁと。

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