ラジオFMのメモ

NHK-FMWorld Rock Nowでの渋谷陽一氏の解説で面白かったものをメモしてゆきます。

ケイト・ブッシュ(Kate Bush)に学ぶ、アレンジは楽曲の肉体である説

20110722

 ケイト・ブッシュの新しいアルバムは「Director's Cut」という変わったタイトルです。なぜDirector's Cutというのかというと、彼女は「Sensual World」と「Red Shoes」という作品を発表しているんですけれども、この楽曲と演奏のかなりの部分をつかって、もういっぺんレコーディングしなおして2011年の今にその楽曲たちを蘇らせてみようという非常にユニークな作品で、セルフカバーといえばセルフカバーなんですけれども、かなりユニークなセルフカバー作品となっております。まずは1993年に発表されました「Red Shoes」の中におさめられておりますAnd So Is Love を聞いていこうと思いますけれども、せっかくなのでどう違うのかを聞き比べていただきたいと思います。

「Red Shoes」(1993)の「And So Is Love」



「Director's Cut」(2011)の「And So Is Love」



 どこが変わっているのかみたいなそういう部分もあるかもしれませんけれども、僕はものすごくかわっていると思います。これを作ったことによってケイト・ブッシュは世界が一気に変わってドアが開いたくらいの印象があったと、だからこの作品を作ったといっているんですけれども、それは非常によく分かりますね。アレンジというのは楽曲の肉体なんだなぁというのがあって、今の2011年に流すべき音になったと。これによってこの楽曲が本来的に求めていた世界観がすごく実現したという。何が何でもこれを作りたいというケイト・ブッシュの気持ちがよく分かります。彼女自身はこのアルバムを新しいオリジナルアルバムだといってますけれども、そういうものに相当する作品だと思います。Song of Solomon。



 本当にディレイの感覚、それから音ひとつひとつの感触、それによって全然曲がかわってくるし、音の持つ時代性というか世界観というかが全然かわってくるし、そしてそのことによってアーティストのリアルも全然かわってくるという、すごいドキュメントのようなアルバムであります。もう一曲聴いてください。なぜか全部「Red Shoes」の中の曲ですがLily。




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