ラジオFMのメモ

NHK-FMWorld Rock Nowでの渋谷陽一氏の解説で面白かったものをメモしてゆきます。

スコット・ウォーカー(Scott Walker)、独自の路線を突き進む

20130111

 スコット・ウォーカーのソロ作品「Bish Bosch」が発表されました。1943年、オハイオ州生まれ。本名ノエル・スコット・エンゲル。ウォーカー・ブラザーズという本当に60年代、日本においても圧倒的な人気を誇るアイドルグループの中心メンバーだったスコット・ウォーカー。それが70年代にソロ活動に移り、ソロにおいても高い評価を得て、メジャーシーンにおいて大活躍をするんですが、その後どんどんシーンから離れ、そして再び戻ってきた時はものすごく前衛的でアートなにおいのする独特な世界観をもった作品を次から次へと発表し、スコット・ウォーカーを紹介するときにいつも言われることですけれども、デヴィッド・ボウイ(David Bowie)、ザ・スミス(The Smith)、U2、レディオヘッド(Radiohead)、アークティック・モンキーズ(Arctic Monkeys)、ブライアン・イーノ(Brian Eno)等が自分達は彼を尊敬してやまない、そしてものすごく影響を受けたということを非常に積極的に公言して憚らない、ものすごい存在のアーティストであります。彼が6年ぶりに作品を発表しました。本当に独自の世界観でありまして、10分くらいの曲や20分くらいの曲がほとんどで、実にこの中からどう選曲してみなさんに現在のスコット・ウォーカーを伝えればいいのかなやんだんですけれども、割と短めの曲を二曲選ばせていただきました。それでも、なかなかこの2013年の日本のシーンにおいてどれだけみなさんに興味を持っていただけるのか、かける側としては絶対に聞いて欲しいと思うんですけれども、不安もあります。See You Don't Bump His Head。



 このアルバムの中でもっとも短くてもっともポップな楽曲を聴いていただきました。ていうことは、次はこれよりもポップじゃないのかと身構えてしまいますが、ポップではありません。スコット・ウォーカーは本当に独自の音の作り方をして、6年間にわたっていろいろな試行錯誤をし、今度の作品を作ったわけですけれども、たとえばアルバムの中で約20分の曲で、SDSS1416+13B (Zercon, A Flagpole Sitter)という曲があるんですけれども、これがどういうものかというと、「SDSS1416+13B」は現在発見されている褐色矮星の中でもっとも低温の惑星だと、一方「Zercon」というのは五世紀に実在したフン族アッティラのお抱え道化師、つまり褐色の肌をしたスターのこと、この二つの関係を歌っているとうことで、もう考えてもしょうがないですよね。ここまでくると。だから、彼自身の独自の世界観の中で、音は僕はすばらしいと思いますし、この世界観の中で変に意味を解読せずにその中に身をまかせるのがよいと思います。Phrasing。



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