ラジオFMのメモ

NHK-FMWorld Rock Nowでの渋谷陽一氏の解説で面白かったものをメモしてゆきます。

ケイト・ナッシュ(Kate Nash)に学ぶ、女性のミュージシャンは常に自分が女性であるというテーマと向き合って表現をやらなければならない説

20130524 

 ケイト・ナッシュでFri-End?。



 ケイト・ナッシュの最新作。タイトルは「Girl Talk」といういかにも彼女らしいタイトルがついております。イギリス出身の今度のアルバムが三枚目になる女性シンガーソングライターであります。デビューアルバムが全英チャートのナンバーワンになって、プラチナアルバムを獲得して、本当に時の人という感じで注目されてました。すごくポップでキャッチーでキュートで、本人に対するアイドル的な人気もありつつ、でもすごい曲を書くよねっていうような立ち居地で、すごくセンセーショナルなデビューをはたした後に、セカンドアルバムではもう少しシリアスな感じに彼女自身の内面が多様性を持って表現されている作品で、すごくいいアルバムでこの番組でも紹介したんですけれども、ケイト・ナッシュのイメージをフォーカスをしぼってイメージするにはちょっとわかりにくいアルバムだったのかもしれません。今回のアルバムはそんなキャッチーでポップなケイト・ナッシュとシリアスですごくディープなケイト・ナッシュ。両方が彼女なんですけれども、それを一緒にしたというか、等身大の彼女になった、そんな感じがします。このアルバムはロサンジェルスでグラミー賞プロデューサーのTom Billerという、カニエ・ウェスト(Kanye West)やフィオナ・アップル(Fiona Apple)などを手がけたすごく尖がった音作りをしてすごく時代感覚にすぐれたプロデューサーですけれども、彼と一緒に作品をつくってこれまでにない、ケイト・ナッシュのいい部分が全部出ている傑作になっております。Part Heart。



 すごくエモーショナルだし、彼女の表現者としてのリアムも感じるし、ものすごくポップだし、でもすごく時代性を感じさせるアレンジだし、このプロデューサーと彼女の仕事は実に正解だったなぁとう感じがします。次の歌はSisterという女の子への愛を歌った歌です。Sister。



 このアルバムはすばらしいアルバムで、わりとパンキッシュな曲を意図的に選んでしまいましたけれども、すごくポップでしっとりとした曲もあり、まさにケイト・ナッシュが自分自身のいいところを全部きっちりとプロデューサーとともに表現をしきったすごくいい作品だと思います。「Girl Talk」というのもいかにも彼女らしいタイトルなんですけれども、実はこのアルバムを作る前に女の子のミュージシャン100人くらいとミーティングして、その子達の悩みや音楽的なこれからの方向性に対する相談なんかをして、それが彼女自身にすごく刺激になり、それが「Girl Talk」につながっている感じです。こういうアーティストの自分の女性性と向き合った作品を聞くたびに、男の場合は男に生まれたということが自分自身の人生のテーマにはならないわけですけれども、女性の場合は、特に表現者の場合は自分が女であるということと常に向き合って表現をやるという、一つの宿命みたいなものがあって、このケイト・ナッシュもそういうテーマと正面から向き合った作品だなぁという気がします。


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