20131011
今回のマニック・ストリート・プリーチャーズは「俺たちだってマムフォード・アンド・サンズくらいのことはできるんだぞ」という、そういうメッセージなんじゃないかなと。そこまで単純ではないのかもしれませんが、俺たちの方がひょっとするとメロディーもうまいかもしれないし、キャリアも長いんだぜ、みたいなそんな、俺たちだってフォーキーでオルタナなものもできちゃうんだよみたいな、そういうマニック・ストリート・プリーチャーズのアピールがすごくストレートに出ているような気がします。まず聞くのは(I Miss the) Tokyo Skylineという曲です。
灼熱の太陽の下たった一人で迷子に
東京の街を彷徨い歩き異邦人感はかなり楽しい
ここが第二の故郷
東京スカイラインを夢見て
空虚さと静寂が懐かしい
ノンコミュニケーションを求める
すべてが楽しくlost in translation
という歌詞のナンバーなんですけれども、果たしてマニック・ストリート・プリーチャーズ。マムフォード・アンド・サンズになっているかどうかみなさんチェックしていただきたいと思います。(I Miss the) Tokyo Skyline。
マムフォード・アンド・サンズに結構なっていない気もしないでもないんですけれども、ただ、聞いた日本人は全員突っ込むと思いますけれども、その弦は日本じゃなくて中国だぞと言いたくなりますけれども、彼らにとってはこういうのが彼らなりの東京というかオリエンタリズムなのかもしれません。面白い曲ですし、いわゆるマニック・ストリート・プリーチャーズ的なるドッカンドッカンとして音高系のアレンジとメロディーが爆発したような曲はなく、この曲なんかはどちらかというとキャッチーでポップで派手な部類にはいるぐらいなそういうたたずまいです。でもマニック・ストリート・プリーチャーズのよさというのは歌謡ロック的なメロだと思いますしそのダイナミズムだと思うんですけれども、ただ彼ら自身としてはこういうことをやってみたいという気持ちが分かるんですけれども、そうした意味で彼らのやりたいことと求められているもの、それがうまい具合にやったのがこれぐらいなのかなぁというそういう曲を続いて聞いていただきたいと思います。30-Year War。
歴史上で一番使い古されたジョーク
自由の名のもとに労働者階級を殺すなんて
っていう非常に重い歌詞から始まる、今の時代をマニック・ストリート・プリーチャーズがどう見ているのか分かる曲でございました。彼らのキャリアの中では異色なアルバムを紹介させてもらいました。