20140926
児島由紀子「11月に新しいコンピレーションアルバムを出すデヴィッド・ボウイについてです。50年にわたるキャリアを網羅する曲と、未発表曲も入っているんですね。そしてなんと、新曲も2曲入っているというんですよ。」
渋谷陽一「元気ですね。」
児島「この人去年「The Next Day」を出した時も世界中をびっくりさせたわけじゃないですか。もうとっくの昔に引退したと思っていたのにいきなり、あんなに濃密なアルバムをちゃんと出してくれたと世界中をびっくりさせて、私も大喜びだったんですけれども、なんとまだ創作意欲はガンガンあるようで、数か月前にボウイ系のイベントがロンドンであった時もメッセージで、これからも新音源をどんどん出すつもりだというメッセージが入っていたんですね。」
渋谷「ライブもやってくれればいいのにね。」
児島「そう。でもこの人飛行機に乗るのが嫌いなので、それも理由の一つだと思いますよ。あんまりツアーをしたがらないのは。しかも今月末から、去年もロンドンで催されたボウイ展がアメリカに渡るんですよ。で、なんと9月23日のシカゴからオープンするんですけれども、この日をシカゴ市長がデヴィッド・ボウイデイにしたんですよ。よっぽど市長がファンだったんでしょうね。」
渋谷「相変わらずその神通力はすごいですね。」
児島「パンク以前のアーティストで、パンクを過ぎた後でも若い世代にアピールも持ち続けた唯一のアーティストだと思います。」
渋谷「50年のキャリアを網羅したものすごい数の曲がこのベスト盤には入ってますね。」
児島「それで最近、イギリスの大きなメディアが行った読者アンケートだと今のモダンロックに最も影響を及ぼしたアーティストの一位に選ばれているんですよ。」
渋谷「すごいですね。やっぱり前衛性というかラジカリズムが全然衰えていないと。」
児島「本当のオリジナルということですね。オリジナルっていうのは時代に風化されないので。人間国宝ですよ。イギリスでは。でもイギリスではロック界に人間国宝がたくさんいますよ。プログレもヘヴィメタルもgロックもパンクも全部イギリスが発祥地ですから。」
渋谷「サー・ポール・マッカートニーを筆頭にすごいですね。」
児島「そうなんです。サーがたくさんいます。サー・ミック・ジャガー、サー・エルトン・ジョン。」
渋谷「すばらしい国ですよね。」
児島「ロックミュージックで持ってるようなものですよね。この国。産業は何もないし。」
渋谷「そんなことはないでしょうけれども。でも本当にデヴィッド・ボウイはもういっぺん、すべてのキャリアが再評価され、新曲まで出るということで、しばらくはデヴィッド・ボウイ熱が続きそうですね。」
2016年1月10日、デビット・ボウイの公式ツイッターで「18ヶ月の闘病の末家族に看取られて亡くなりました」と発表されました。享年69歳。