音楽のおべんきょうφ(.. )メモメモ

NHK-FMWorld Rock Nowでの渋谷陽一氏の解説で面白かったものをメモしてゆきます。

デイブ・グロール(Dave Grohl)はミュージシャンでありロック研究家でありロック啓蒙家である説

20141121

1、アメリカの各都市でレコーディングをする

 フー・ファイターズ(Foo Fighters)の新作「Sonic Highways」を紹介したいと思います。この作品は、アメリカの各都市でレコーディングをし各都市を大きなテーマとして作り上げたなかなかの大作であります。まずは一曲聞いてください。In the Clear。

 

 今曲をかける前に紹介しましたように、今回のアルバムは非常に企画性のある作品でありまして、アルバム自体には8曲しか曲が入っていないんですけれども、それぞれの曲を全米各地のすごく歴史のあるスタジオでレコーディングして、八都市のレコーディングスタジオで一曲一曲とりながらアメリカ全土をまわっていくというそういう一年をかけた企画で、しかもスタジオで一回一回とるときに地元のラジオ局を入れ、テレビのドキュメンタリー番組を作り、そのドキュメンタリー番組とレコーディングを一体化しするという、つまり一年かけて全米の各都市の由緒あるレコーディングスタジオを巡りながらそこの一曲一曲のドキュメントを作りながらアルバムを完成させるという、長大な計画のアルバムなわけです。どうしてもこれをデイブ・グロール自身はやりたかったようでありまして、その大きなテーマのもとにこのアルバムを作り上げたわけであります。彼自身これはアメリカ音楽史へのラブレターだと言っているんですけれども、それこそアメリカのレコーディングスタジオ一つ一つが持つ歴史、都市の持つ歴史、そしてそこの中にある音楽的な背景。そういったものと向き合いながら彼はこのアルバムを作り上げていったわけであります。

2、最近のロックにはテーマ設定が求められている説

 なぜこのような事をやったのかについては、彼自身もいろいろなインタビューでしゃべったりしているんですけれども、私が考えるに、最近は、自分たちがなぜロックをやるのかとか、なぜ新しい作品を作るのかということをすごく音楽をやる側がいちいちテーマとして設定し、それと向き合いながらアルバム制作をやっていくということはすごく増えてきていると思います。それは特にベテランバンドについてそういう傾向が強くなっていて、フー・ファイターズは中堅といっていいと思うんですけれども、そういうバンドが新しいアルバムを作っていくときに、「いつものようにレコーディングしていこうぜ」ではアルバムを作れないんだと思うんですよね。特に音楽と真摯に向き合う姿勢を持ったアーティストであれば、それぞれなぜ自分が今この音楽を作り、アルバム制作に入り、一曲一曲に魂を込めていくのかということを、自分の中でテーマ設定をしていかないとなかなかモチベーションが上がっていかないというか、音楽と向き合う自分の衝動というか、ちゃんと対象化していけないんじゃないのかなぁという気がします。最近はこういう風にして、アルバム自身がこういうテーマとこういう制作過程を持っているんだよねっていうことを解説する機会がすごく増えてきているような気がして、ロックというのはそういう風にアルバムを作っていくときに一つの大きなテーマと向き合わなければいけないというか、そういう事を設定しないと自分達のクリエティビティーみたいなものを担保していけないという状況にあるんだなぁという気がします。そういってこういう身もふたもない事を言ってしまうのも何なんですが、聞く方としてはそうやって命がけで一年二年三年かけて作ったアルバムですよって言われようが、実は鼻くそをほじりながら三分で作った曲だよって言われようが、メロディーと演奏さえよければどっちでもいいやっていう所はあるんですけれども、ただ作る側のロジックとしてはそれだけのものを必要とするというか、だからこそいいものができるというような所があるんだろうなぁと思います。The Feast and the Famine。

 

3、デイブ・グロールはミュージシャンでありロック研究家でありロック啓蒙家である説

 デイブ・グロール自身はそれこそスタジオがなくなってしまうのでそれを惜しむドキュメンタリーを作って見たり、あるいは今回はアナログテープでのレコーディングにこだわったということのアピールに、テープをちょん切ってCDに入れてみたり、その作品がどのような形で作られているのか、あるいはレコーディングの現場っていったいなんなんだと、あるいはスタジオが持つ意味っていうのはどういうことなのか、そしてスタジオが作ってきた歴史というものは何なんだということを非常に考察し、その中で作られていく音楽を非常に大切にしたいという、ミュージシャンであり、研究家であり、啓蒙家であるみたいなそういう独自なポジションを持っていて、そしてそれをすごくスマートにやっていて、すごく大変だとは思うんですけれども、すごく彼がやっていることはトータルなロック史においてはすごく重要なことなんだなぁという気がします。でもそういうこと自身が彼らを音楽に向かわせるエネルギーになっているんだろうと、こうやって聞いていくとどれもエネルギーで満ちた曲ばかりなので、我々にも伝わってきます。Congregation。

 

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