20141219
1、メタルは歌舞伎である説
伊藤政則「ジューダス・プリースト (Judas Priest) は新しいギタリストでリッチー・フォークナー(Richie Faulkner)という人が入って、でもあと何年もできるわけではないから、ジューダス・プリーストだって。40年ですよ。60代の半ばですから。彼らも。だけど、ヘヴィメタルという音楽は、ライブパフォーマンスも過酷で、そのパフォーマンスをワールドツアーとして60代半ばでやるのは・・・。」
大貫憲章「過酷なんだ。」
渋谷陽一「辛いでしょ。メタルは。」
伊藤「二時間くらい全身全霊で。フォークでギター一本で歌う人よりは結構辛いと思うよ。」
大貫「クラフトワーク(Kraftwerk)なんているかどうかわからないからね。長くやっているけどね。」
渋谷「じゃあ聞いてみましょう。」
伊藤「「贖罪の化身(Redeemer of Souls)」からDragonaut。」
渋谷「曲かかる時に伊藤さんはこういうメタルは歌舞伎なんだと。」
伊藤「メタルのみならず、ピンク・フロイド(Pink Floyd) 、AC/DC、ジューダス・プリーストなどはもう型があって歌舞伎のようなものです。」
大貫「やっぱり期待にこたえてくれますからね。」
伊藤「ジューダス・プリーストも安心して聞けますしね。ただ、さっきも言ったようにそんなに長いこと10年とかね、活動するわけではないので、ニューアルバムが出たら聞いて日本公演を見に行くということをしていただきたいなぁと思いますよ。」
渋谷「最後の姿になるだろうと。」
伊藤「そう思いますよ。」
渋谷「やっぱりジューダス・プリーストみたいな形は70歳80歳までやれる形ではないと。」
伊藤「いやムリだよ。でも、ハードロック、ヘヴィメタルの歴史がまだそんなにビートルス(The Beatles)やローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)よりも古くないので、どこまでできるのかという最長不倒距離を誰も証明していないんだよね。だからひょっとしたら70歳までできる人もいるし、75歳までやる人もいるかもしれない。」
2、キッス(KISS)は衣装が重くてライブは大変である説
渋谷「キッスって今いくつくらいんなの。」
伊藤「63,64歳くらいじゃないですか。デビュー40周年だもの。」
渋谷「キッスって行きそうだよね。」
伊藤「でもジーン・シモンズ (Gene Simmons)は言っていましたよ。去年だか一昨年だかのアメリカツアーを見に行った時に、普通バンドというのはリハーサルをして着替えてステージに出ると。俺たちはメイクをして20キロくらい重いものを着てでると。他のバンドよりもワンクッション、ツークッションあるから衰えも激しいと。だけどそれを乗り越えてやるのがキッスだって。あれ結構着るのが重いんだって。」
渋谷「特にジーン・シモンズは重そうだよね。」
伊藤「軽くしてもあれだけの装備は重いんだって。」
大貫「歌舞伎は確かに女形の衣装なんてすごい重いみたいですけれども。」
渋谷「確かに飛ぶしね。ジーン・シモンズは。」
伊藤「ただ、ジーン・シモンズとかは中身が変わっていても気づかないじゃない。」
大貫「それはないと思いますけれどもね。」
伊藤「ロックの歴史が終わっていないからキッスもジューダス・プリーストもどこまでいけるのか分からないですよ。」
3、伊藤政則、メタルファンの高齢化を憂う
伊藤「最近、大貫さんの所のパンクもそうかもしれないけれども、メタルファンの高齢化が叫ばれていて。」
大貫「パンクなんて生きている人が珍しいじゃないですか。」
渋谷「メタルファン高齢化してるよね。アーティストもファンも高齢化して。」
伊藤「70年代から好きな人は50歳60歳、80年代のミュージックビデオ全盛の時代にボン・ジョビ(Bon Jovi)とかのファンになった人でも40代とかで。」
渋谷「ヘッドバンギングとかやっていると倒れちゃうというか。70代のアーティストに60代のファンってもうすごいね。」
伊藤「メタルだけじゃないでしょ。ツェッペリン(Led Zeppelin)ファンの高齢化は。」
渋谷「ジミー・ペイジ(Jimmy Page)が毎度毎度来日してすっかり友達みたいな感じですけれども、Dazed and Confusedで俺は三時間くらいやるって言っていてガッツがあったんですけれども、付き合いますよ私も。」