ラジオFMのメモ

NHK-FMWorld Rock Nowでの渋谷陽一氏の解説で面白かったものをメモしてゆきます。

ノエル・ギャラガー(Noel Gallagher)はクリエイティビティとビジネスマンを両立している説

1、ノエル・ギャラガーはクリエイティビティとビジネスマンを両立している説

20150123

児島由紀子「ノエル・ギャラガーがソロセカンドアルバムを出すんですよ。」

渋谷陽一「大成功のファーストに続いて、その成功を背景に。」

児島「そう。ファーストは250万枚も世界で売れたんですよ。今ロックが不振なのに。」

渋谷「すごい。」

児島「それに今や自主レーベルも経営する。そのレーベルにはプライマル・スクリームも所属しているという。」

渋谷「すごいですね。経営者としても一流ですね。」

児島「そうなんですよ。そして、今回の作品はセルフプロデュースなんですよ。作詞、作曲、パフォーマンス、プロデュース、自分のレーベルの経営もして。」

渋谷「実際の音はどうですか。」

児島「今回はデビュー時期のノエルのメロディーに対する天才的な才能が戻っているんですよ。」

渋谷「一曲聞いたんですがこれオアシスじゃんみたいな。」

児島「ほんとオアシスの初期の作品に入れてもいいんじゃないみたいな曲があると同時に、これは絶対にオアシスのアルバムに入れないだろうなぁっていう曲もあるんです。インスト主体のスペースジャズみたいな曲もあるし。1980年代のニューウェイブディスコビートみたいな曲もあるし。」

渋谷「もう一枚目の成功で自信をつけてしまって、オレは行くぞなんでもみたいな感じなんですね。」

児島「そう。で、今回はプロデュースまでとうとう自分でやってしまったっていう。」

渋谷「すごいですね。一曲聞いた感じではこれは前作より売れるんじゃないかって。」

児島「すばらしいですよね。まだ渋谷さんが聞けていない曲の中にも、もう鼻血がでそうなほど盛り上がる曲が4、5曲ほどあるんですよ。私が取材した時に一番気に入っている曲はどれかって聞かれたときに、この4、5曲をあげたら、お前パンクな曲が好きだなぁって。オレとしてはもっと新機軸の曲の方を注目して欲しかったんだけどみたいな。」

渋谷「でも人々が求める音も、そして自分自身がやりたいものもバランスをとれてやれているということは、表現者としていい状態なんですね。」

児島「すごいですよ。普通クリエイティブな人ってビジネスを考えられない人って多いじゃないですか。経済観念もないし。この人両方できるんですわ。」

渋谷「すばらしい。In the Heat of the Moment。」

 

2、ノエル・ギャラガーのファンは男ばかりである説

20150220

児島由紀子「そろ第二段を出すノエル・ギャラガー兄貴の極秘プレミアライブをロンドンで見てきました。なんと300人から500人というちっちゃな箱で、まさにオアシスの初期のような感覚を味わってきました。」

渋谷陽一「いいですねぇ。オアシス初期から見てますからね。児島さんはね。」

児島「そうですよ。ステージもないフロアと地続きみたいな所で見てるんですから。150人くらいの箱で。その頃から見てるからノエルを狭い箱でみると思いだしてしまいましたよ。」

渋谷「で、実際にライブはどうでしたか?」

児島「新曲を中心にやったんですけれども、変化球を中心にやっているんですよね。これまでにリリースをされているシングルを中心に。ロックンロールな曲はLock All The Doorsだけという。もっといい曲はたくさんあるのにやってよってヤジを飛ばしたくなったんですけれども。まあ本人は出し惜しみをしてアルバムが出たらびっくりさせようと思ってるんだろうと思うんですけれども。」

渋谷「でも知ってる児島さんとしてはもっと、もっとという感じで。」

児島「久しぶりにノエルがギターを掻き毟っている姿を見て、ジーンと来てしまったんですけれども。」

渋谷「でもセットリストをみたら一枚目のソロからもガッチリやっているし、オアシスナンバーもやってるし、基本的にはすごく楽しそうですけれどもね。」

児島「そうですね。計15曲でアンコールなしという短いものだったんですけれども。まあプレミアですからね。アルバム前の。」

渋谷「お客さんの反応はどうでしたか?」

児島「お客さんは男が80%くらいですね。圧倒的に野郎が多いですよ。やっぱりオアシス時代からずっと聞いている人が中心です。」

渋谷「でも関係者も多いんですよね。」

児島「そうです。最初は業界向けの極秘ライブだったので、あとは抽選でチケットが当たったラッキーなファンていう感じで。」

渋谷「貴重なライブで。でも、ファンも盛り上がって楽しんでいたんでしょ。」

児島「盛り上がっていましたよ。アンセムがくるときは必ずビールを頭の上にかざしたり、でも投げられなかった分だけましでした。オアシスのライブに行くたびに私はビールを浴びていたので。」

渋谷「楽しそうなライブですよね。でもノエル・ギャラガーは新作をもって日本でもライブをやりますから、本格的なツアーの最初の我々は体験できるので、それはそれで楽しみという所でございます。Ballad of the Mighty I。」

 

3、ノエル・ギャラガー、オアシス再結成がなくても大丈夫

20150306

 ノエル・ギャラガーズ・ハイ・フライング・バーズ(Noel Gallagher's High Flying Birds)でYou Know We Can't Go Back。

 

 ノエル・ギャラガーの3年半ぶりになりますセカンドソロアルバム。このアルバムについてはすでに児島さんがすごく丁寧なリポートと、ノエル・ギャラガー自身のラジオIDと盛りだくさんでこれまでも紹介してきましたが、相当な知識がリスナーのみなさんにも入っていると思います。前作、オアシスをやめて自分自身のプロジェクトをはじめて、それの第一弾のファーストアルバムが、内容に対する評価、そしてセールス的な結果、ともにすばらしいものを手に入れたノエル・ギャラガーズ・ハイ・フライング・バーズ。そういう成功を背景に、今回のアルバムはじっくりと作られているんですけれども、なんと今回は初プロデュース作。意外ですよね。プロデューサー体質も強く持っているノエル・ギャラガー。オアシス時代も共同プロデュースという形でかかわってきたんですけれども、完全に一人だけのプロデュース作は今回がはじめてということで、そうした意味でも自分の思うままに、そしてプロデュースするという行為に対しても自信をもってこの作品と向き合ったのではないのかと思います。一作目がどちらかというとアメリカンロックや、それこそニール・ヤングとかに対するなかなか出せなかったノエル・ギャラガーの思いがビビットに反映された作品だったんですが、今回はそういう部分を残しつつも、やはりノエル・ギャラガーはこれだぜ、というアルバムになっていてとってもいいです。アルバムのオープニングナンバーになります。この一曲目が出てきた時に、これかなりよくないっていうそういう驚きにも似たうれしさを感じたナンバーでございます。Riverman。

 

 後半のサックスソロが非常に印象的なナンバーですけれども、ノエル・ギャラガー自身は、ピンク・フロイド(Pink Floyd)とかストゥージズ(The Stooges)のサックスの入り方が非常に好きだと言っていて、ピンク・フロイド感がバリバリですよね。ブルース・スプリングスティーン(Bruce Springsteen)というよりはピンク・フロイドで。非常にいい作品だと思います。アルバムタイトルがチェイシング・イエスタデイ(Chasing Yesterday)というタイトルになっているんですけれども、ノエル自身の言をもってすると、これは昨日を求めてみたいなニュアンスのものではあるけれども実際は全然過去を求めてもしょうがないというそういう思いで作られたと彼自身は言っているんですけれども、まさにそんな感じです。ノエル・ギャラガー自身が新しい歴史を前作で刻み始めたんですけれども、それがものすごく確かなものになって、自分自身が今回よりそれを発展させたこういうすばらしいアルバムを作ったという所からこのタイトルを付けたんだとおもうんですけれども、そんな思いが確かなものとして伝わってくる作品です。私はオアシスファンには嫌われているのでこれ以上嫌われても大丈夫だと思うんですけれども、この作品を聞くとオアシスの再結成がなくてもノエルはこのまんまソロをガンガンいっていいんじゃないかと、そういう気がちょっとして、ライブ行けばオアシスナンバーをいっぱい歌ってくれるし、っていうようなそんな感じがするんですけれども、もう一曲聞いてください。The Girl with X-Ray Eyes。

  


Comment

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
記事検索
スポンサーサイト
スポンサーサイト
アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

プライバシーポリシー
ラジオFMのメモ