20150807
児島由紀子「3年ぶりのニューアルバムを出すパブリック・イメージ・リミテッド(Public Image Ltd)についてです。私の心の師、ジョン・ライドン先生の新作でございます。今回の新作は、前作の「This Is PiL」が内省的な内容だったじゃないですか。今回はライドン先生の本来の資質が出た、外に向かってガンガン問題提起をして罵倒する内容になっておりますので。」
渋谷陽一「それは一番ファンが望んでるジョン・ライドンですね。」
児島「だからうれしいんですよ。もう聞いた途端に私は笑いながら泣いてしまいました。この人の歌詞って非常にグサッとくるような事を言うんですけれども、ユーモアがまじってるんですよね。」
渋谷「キャラクターそのまんまですよね。」
児島「そう。来年この人60になるんですけれども、全然丸くならないという。さすが私の先生という。あらためて尊敬しなおしてしまった新作です。」
渋谷「ネット上にあがっている曲を聞いて一曲だけチェックしたんですけれども、すごく音の方も攻撃的でポップだし。」
児島「ピストルズの初期のパンクみたいなものもありますし、アンビエントっぽい曲もありますし、これはいったい何なんだっていう曲もあったりして、非常に曲調もバラエティーにとんでいるんですよ。今回。本人も最近のインタビューで、最近の作品では一番気に入ってるって言ってます。」
渋谷「これはファンが待っていてまさにパブリック・イメージ・リミテッドだと思いますね。」
児島「アルバムのテーマは今の分裂された世界についてなんだそうです。近代社会の問題って宗教関連から問題が発しているものが多いわけじゃないですか。だからそういう事についてだそうです。」
渋谷「世界の動きに対してジョン・ライドン自身もすごくものをいいたいというモードに入っていて、その怒りが逆にこのポップな作品を生んだという感じで、きっとライブやなんかもすごいでしょうね。」
児島「ツアーは9月からはじまるらしいんですけれども、見るのが楽しみです。」
渋谷「イギリス本国におけるパブリック・イメージ・リミテッドやジョン・ライドンの評価はどうなんですかね。」
児島「もう人間国宝みたいなものですよ。イギリスにおける百人のメイツというような記事があれば必ず入るという。数年前に勲章を授与するという話もあったみたいですけれども、本人は断ったみたいですよ。さすが先生とまた尊敬をし直してしまったという。」
渋谷「本格的に新作が聞ける、ライブが始まるチャンスを待ちたいと思います。Double Trouble。」