音楽のおべんきょうφ(.. )メモメモ

NHK-FMWorld Rock Nowでの渋谷陽一氏の解説で面白かったものをメモしてゆきます。

山下達郎、ジェームス・ブラウンを語る ブルースからファンクへ

20160503 「今日は一日“JB(ジェームズ・ブラウン)&ファンク”三昧」より

吉岡正晴「今日はジェームス・ブラウンにおけるファンクの誕生という一つのテーマを達郎さんから頂いて、それを時系列でご紹介いただきます。」

山下達郎「正確にいうとジェームス・ブラウンが、我々がファンクと呼んでいるものに変わっていった時代が60年代中期くらいからですが、その音楽的な変遷を、短時間で。ジェイムス・ブラウン以外のファンクまでいくと語ることが多すぎて。また音楽的な構造についても少し紹介します。」

吉岡正晴「もちろん今日の音源は、達郎さんがご自宅でマスタリングしていただいた、特上の音になっております。」

山下達郎「初期のジェームス・ブラウンは、本当に50年代的な、例えばリトル・ウィリー・ジョン(Little Willie John)とかそういうブルースシンガーの影響がすごくあったんですけれども、それがだんだん独自の世界になるんですが、まずはワンコード化。コードが一個しかないという。ダンスをより中心にするのと、ステージでの観客とのインフルエンス、変化がなくて押して押して押しまくると。それによってブリッジが変化するところがまた変化になると、そういうステージのルーティーンをものすごく意識したレコード作りになりますから。それの萌芽がだいたい67年前後なんですよね。僕が一番感じた変化の大きいものは、Let Yourself Goという67年の、これはソウルチャートで5位、全米チャート46位になった曲です。この辺から本当にジェームス・ブラウン独自の音世界になってきたのではないのかなぁという感じですので、まずはそこらへんから行ってみたいと思います。」



吉岡正晴「ジェームス・ブラウンのアッアッという声と、ジョン・ジャボ・スタークス(John “Jabo” Starks)のドラムを合わせるというのを、この曲からはじめてジェームス・ブラウンはやりだしたということを、アラン・リーズ(Alan Leeds)が解説で書いております。」

山下達郎「多分ライブの反映でしょうね。ライブでシンガロングをやっている時に、たまたまそういう所でジャボがレスポンスしたんですよ。これはいいということで。全部こういうことの延長線上ですからね。この時代のジェームス・ブラウンは。だけどこれの前は、Papa's Got a Brand New Bagでも割とブルースに近い進行をするんですけれども、この辺からだんだんそれが崩れていくんですよね。これはリズムもなんですけれども、コードも変態でね。それでブリッジになるとまた違うところに行きますから。」

吉岡正晴「ワンコードではないんですね。」

山下達郎「ワンコードじゃない。ツーコードパターンですけれどもね。それとドラムのコンビネーションなんですけれども。」

吉岡正晴「Out of Sight、Papa's Got a Brand New Bag、そしてLet Yourself Go。この辺で徐々にジェームス・ブラウンもリズムを考えて発展させて・・・。」

山下達郎「リズムのバリエーションはOut of Sight辺りから結構面白くなってきたんですけれども、でもコード進行はブルースなんですよ。でもLet Yourself Go以後に明確にブルースではないものが出てくるんですよ。」

吉岡正晴「ではこれが転換点なんですね。」

山下達郎「転換点だと思います。でもなんといってもCold Sweatでしょ。それはみんなが等しく認める所ですよね。この曲もD7とE7という変な転調にいって、ダッダッダッダッといってまたDに戻ると。すごい変な転調でしょね。ここでドラムのクライド・スタッブルフィールド(Clyde Stubblefield)がドラムソロをやるでしょ。パート2で。Give the Drummer Someという所でジェームス・ブラウンが声をかけるじゃないですか。あそこでドラムが鳴るでしょ。あれは完全に、例えばアーチー・ベル&ザ・ドレルズ(Archie Bell & the Drells)のタイトゥン・アップ(Tighten Up)とかの要するに元ですよね。それを聞いて、みんなこれはなんだってことで、それでベースが入ってきて、そういうのがレコードに刻まれるって。」

吉岡正晴「あれもやっぱりライブならではで生まれたものなんですかね。」

山下達郎「そうだと思います。ジェームス・ブラウンは基本的には、パート1、パート2でシングルがつながっているじゃないですか。でも本数が短いから途中でフェードアウトをして、またパート2でB面をひっくり返すと出てくるでしょ。でも実はそのB面の方が面白かったりするんですよね。シングルのB面に醍醐味ありって。ジェームス・ブラウンは。なのでこういう番組をやる時は、パート1だけをかけていてもあまり面白くないんです。なので、これから聞いていただくCold Sweatはパート1とパート2がつながっているもので、90年代の頭にコンプリートバージョンが出たんですよ。フェードアウトなしの。それで一番おしまいまでいくので、一分程度長いものなんですけれども、これの後半のドラムから始まって、ベースが重なってくる醍醐味というのかな、それがライブの延長としてのレコードという。」

吉岡正晴「ジェームス・ブラウンはレコディングをする時は、スタジオでとにかくミュージシャンに勝手にやらせて、自分が盛り上がればそれを長くやって、それが例えば7分とか8分とかになって、シングル盤というのは3分半くらいの時間の制限があるので、最初の頭から3分くらいでフェードアウト。残りをパート2というかシングル盤のB面にすると、そういうスタイルで、パート1とパート2のシングル盤が多いんですよね。」

山下達郎「ライブの延長としてのレコードというのは、当時としては斬新ですよね。普通はレコーディングをして、それをライブで再現する感じですけれども、全然逆ですから。だから、ジャズに近いですよね。発想としては。」

吉岡正晴「じゃあその曲をロングバージョンでお送りしましょうか。ジェームス・ブラウンのCold Sweat。」

 

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