音楽のおべんきょうφ(.. )メモメモ

NHK-FMWorld Rock Nowでの渋谷陽一氏の解説で面白かったものをメモしてゆきます。

ジャスティン・ビーバー(Justin Bieber)に学ぶ、今の時代の音楽エンタテイメントにおけるライブ感とは?

20160816 ONGAKU NOMADで鹿野淳氏です。

 ニューアルバム「Purpose」を引き下げて現在はワールドツアー中のジャスティン・ビーバー。先週の土日に幕張メッセで3年ぶりの単独来日ライブを開催しました。これはアジア圏では日本だけらしいですね。そうとうプレミアムなライブだったと思うんですけれども、二日間で5万人を集めたって発表されていますけれども、3万人くらいは一日にいたんじゃないのかなぁとおもったんですけれども、だからこの数字は絶対に盛ってないですね。すごいライブでした。何がすごいって、まずお客さんがみんなパイプ椅子の上に立つんですよ。ジャスティン・ビーバーに会いたくて。少しでもジャスティン・ビーバーと近くの距離に行きたくて。容易に想像できるのは、ライブとかにあまり普段行っていない人たちが、ここに大挙して集まったのかなぁと思うんですけれども。外国のアーティストの場合は、今は写真撮るのはあたり前になっていますから、ずっと写真を撮りまくっているという状態で、2万5000人の人がみんなパイプ椅子の上に立っちゃうと、セキュリティーもそれを止められなかったみたいで、困ったものだと思いながらもそれを眺めるしかないという。途中でバラードになった時にがんばって降ろさせていたんですけれども。まずその景色が意外だったのと、あとはジャスティン・ビーバーは歌っていないんですよ。マイクを持っていてジャスティン・ビーバーの声が出てくるんですけれども、ジャスティン・ビーバーは持っているマイクを使っていないんですよ。つまりは歌っていないんです。だから、音源がそのまま出ているんですよ。僕がこういう話をすると、これをすごくネガティブにとらえるかもしれないんですけれど、何がすごいなと思ったのかというと、まずジャスティン・ビーバーが出てきてマイクを持っていてヒット曲を歌っていないのに、お客さんはそれに対して不満は、僕が見てる中では全くないんですよ。つまりは、ジャスティン・ビーバーがそこにいてくれて、ジャスティン・ビーバーが最高の演出と、最高の映像と、最高の証明と、最高のレーザー光線アートがされているんですけれども、その空間に彼がいて、彼が自由に振る舞っていて、そこに最高のエンターテイメント性があれば、歌わなくてもそれで大丈夫なんですよ。Sorryという曲をやったときも、ずっと上から雨がザーッと降っていて、ジャスティン・ビーバーは雨に打たれながら歌っているんです。マイクは持っていたんですけれども、これは絶対歌っていないんです。だって、感電死しちゃうもん。でも、それでもいいんですよね。僕は、これが今の音楽のエンターテイメントだなぁと。ライブというものは生身のものだから、その歌も生身でその場で歌うことがライブというものの醍醐味なんじゃないのか。僕はずっとそう思っていたし、未だにそう思っている所もあるんですよ。2年くらい前にBase Ball Bearの小出くんに、「鹿野さん、その考え方は古いよ。その考え方だから、鹿野さんはアイドルを受け入れられないんだよ。」と言われた事があって、「今の時代、ライブ感って別に歌を歌う歌わないってだけじゃなくて、いろいろなところにライブ感ってあるじゃないか」っていう話を彼からされて、「あー」と思いながら、やっぱり自分の中では歌ってこそ音楽なんだから、そして歌なんだからと思っているところがあったんですけれども、このジャスティン・ビーバーのライブをみて、本当にそういう時代じゃないんだなぁと思いました。ただ、そうなった場合に、逆にロックバンドっていう生身で勝負していく人たちは、ロックフェスが今はお祭りごとの中心にありますけれども、ロックフェス以降の時代で、バンド音楽、そしてロックミュージックというものは今のこの時代の中で、どうやって生き残っていくのか、今までのようなロックンロール最高、ロックバンド最高、バンドであることの摩擦って最高っていうことだけでは、僕はロックミュージックもバンドも今のエンターテイメントの世界の中で、本当の意味で生き残っていけないと、引きずっていくものしかなくて、前にあるものを掴めないんじゃないのかなぁということをすごく感じました。ジャスティン・ビーバーのライブはそういう意味でものすごく勉強になったし、ものすごく今の時代のエンターテイメントを演じてくれているものを見て、とても参考になったと思いました。

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