音楽のおべんきょうφ(.. )メモメモ

NHK-FMWorld Rock Nowでの渋谷陽一氏の解説で面白かったものをメモしてゆきます。

でんぱ組.incに学ぶ、ロックとは何か

20170124  ONGAKU NOMADで鹿野淳氏です。

 でんぱ組.incでW.W.D。



 この曲をはじめて聞いたのは、坂元裕二さんの脚本の最高傑作だと言われている「最高の離婚」というのがありまして、それで瑛太がでんぱ組.incに狂っちゃって秋葉原に通うというシーンに、この曲が演奏されるんですけれども、1月20日にでんぱ組.incのワンマンライブ「でんぱ組.inc 幕神アリーナツアー2017 in日本武道館」を見てきました。僕は最近あまりアイドルのライブを見に行ったりはしていないんですけれども、でんぱ組のライブはずっと見たくて楽しみに行きました。この曲を聞くとわかると思うんですけれども、この曲の中で歌われているのは、通常はドキュメンタリーソングと言われているんですけれども、自分達がひきこもってずっとネトゲで暮らしていた中で、こうしてでんぱ組で出会って、自分が人間としてどれだけ潤っていったのかということが歌われていたりとかで、ライブの中でも基本的にでんぱ組の歌やメッセージってこれが全部に貫かれているんですよね。つまりは、ひきこもってしまったりとか自分の心の殻を閉じてる女の子達が、自分達がこうやって集まって、みんなで開き合って、その様をみんなに見てもらいながら、閉じてるみんなも私が開かせてあげたいっていうミュージカルなんですよ。歌もそうだし、パフォーマンスもそうだし、これは盛り上がるなぁと思いました。そしてそのミュージカルをみんなが鑑賞してるんじゃなくて、自分自身もミュージカルの一員となっているんですよね。オタゲーってあれがメッセージなんだなぁっていうことを、でんぱ組のライブをみて思いました。それって今の時代のアイドルの一つの風潮みたいなものだと思われがちなんですけれども、ロックってそもそもそういうものだったんですね。みんな変身願望みたいなものを持って、着たい服を着て、普段は言えないようなことを歌にして、パフォーマンスにして、自分というものと時代というものを超える、例えばハードロックとかへヴィメタルが異常なのは、そういう超越しちゃって、こんな風になりたいと、さらに越えちゃったパフォーマンスをしたから、ああいう一つの文化になったんだと思うんですよね。例えばBABYMETALがアイドルとしてへヴィメタルとこれだけ一緒に組めたということは、アイドルというものがそもそもそういうもので、そこに相関作用があったからそうなったんじゃないのかなぁと思うんだけれども、いつしか「リアル」というものにロックはなっていって、でも「ロックはリアルだぜ」って言ったパンクミュージックのセックス・ピストルズ (Sex Pistols) は、要するにリアルじゃなくて、リアルというものを彼らなりにパフォーマンスしていたんですよ。リアルなロックで最高のロックはたくさんあると思うんだけれども、でもリアルというものを隠れ蓑にしてただ単に普通のことをやってるだけのロックが、今の時代のロックをつまらなくしてるのかなぁと、そういうことまででんぱ組の日本武道館での一級品のアイドルミュージカルライブを見て、考えさせられた、そして勉強させられた、そういうライブでした。