ラジオFMのメモ

NHK-FMWorld Rock Nowでの渋谷陽一氏の解説で面白かったものをメモしてゆきます。

R.E.M.、初来日の悲劇

20170221 ONGAKU NOMADで鹿野淳氏です。

 オルタナティブロック以降、最もアメリカの偉大なるバンドと言われているR.E.M.。ニルヴァーナ (Nirvana)もレッド・ホット・チリ・ペッパーズ(Red Hot Chili Peppers)もみんなみんな尊敬しているバンドです。このバンドは1984年に初来日をしているんです。2枚アルバムを出していて、当時「Murmur 」っていうアルバムだったかな、これがローリングストーンズ誌の年間ベストアルバムをとったという時期だったんですけれども、日本では全く人気がありませんでした。だから、初来日をしたのも早稲田大学の学祭だったんです。しかも体育館ではなくて、机とか椅子がある教室でライブをやって、前座が当時早稲田大学在校生だった爆風スランプ。爆風スランプはデビューの瞬間だったんですけれども、R.E.M.のクールなライブとは全然違っていました。そして、爆風スランプが出てきて、イケイケだったので、「俺たちの学校でアメリカの野郎の前座をなんで俺たちがやらなきゃいけないんだよ」って言って、当時のライブはいろいろ暴れまくるというのがパフォーマンスとしてあったんですけれども、サンプラザ中野さんは頭の上で花火を打つは、爆竹を打つわ、もう教室中暴れまわって机とか椅子とか壊しまくっちゃって、R.E.M.が出てくるまで2時間かかりました。そして、お客さんも爆風スランプに煽られて盛り上がるわけです。早稲田大学から在校生のままデビューしていった爆風スランプというバンドが出てきて「アメリカ人の前座の俺たちがライブ潰すぜ」みたいな感じでやって、みんなは盛り上がるわけですよ。それをR.E.M.が好きな、約5分の1のファンが端っこからみんな悲しい目で見ていたわけです。僕もすごい悲しい目で見ていたんですけれども、当時オリジナルラブのギタリストの村中くんという人がおりまして、彼がすごい悲しそうな目でこの状況を見ていて、また音楽ジャーナリストの田中宗一郎もこのライブをすごい悲しい目で見ていたそうです。しかし、そういう人たち以外は非常に盛り上がって、2時間たって出て来たR.E.M.は一回も前を向かないでずっと下を向いて、まさにシューゲイザーですよね、自分のつま先をみながら40分くらいでライブが終わったんですよ。当時のR.E.M.はそういうライブをするバンドだったんだろうと思いますけれども。爆風スランプに荒らされた所で、荒れ地でライブをやっていく、これは何のための初来日だったのかなぁと。

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