20170901
児島由紀子「14年ぶりに初のソロアルバムをリリースする元マンサン(Mansun)のポール・ドレイパー(Paul Draper)についてです。」
渋谷陽一「マンサンいましたねぇ。まだやっていたんですか、この人は。」
児島「マンサンは2003年に解散しているんですよ。それ以後は他のアーティストのプロデュース業をやっていたんですね。バンドの解散の事情が非常に最悪だったので、そういう時期に本人もガンの診断をうけたりして、疲れ切っていたようなんですよ。当分業界からは離れていたかったそうで。」
渋谷「でも14年の期間がたって、やっぱり自分は音楽をやるんだと。」
児島「そうですね。マンサンといえば、英国伝統のギターロックが流行っていた時に、ビートルズとかストーンズとかキンクスのサウンドを真似ていたころに、プログレみたいなアルバムを作っていた不思議なバンドだったんですけれども。」
渋谷「独特の世界観がありましたよね。耽美的な。わりと人気もありましたよね。」
児島「ありました。ファーストアルバムは全英一位になったくらいですから。レコード会社から言われて外部プロデューサーを入れたサードアルバムあたりからおかしくなってきたんですよ。内部抗争もあったし、メンバーの一人がバンドの金を使い込んでクビになったり、非常に悲劇的な解散の仕方をしたんですね。今回のソロアルバムにも、その頃のことを歌っている曲、Friends Make The Worst EnemiesとかYou Don’t Really Know Someone ‘Til You Fall Out With Them、喧嘩別れしてみないと人間の本当なんて分からないと、こういう歌がたくさん入っているんですよ。 」
渋谷「なるほど。この14年を清算するような意味で。ある意味エモーショナルではあるんですね。」
児島「ものすごいエモーショナルです。この人独特のエモーショナルなボーカルで。今回のアルバムはシンセが主体ですよね。マンサンはギターバンドでしたけれども。」
渋谷「一曲しか聞いていないですけれども、そんな感じですね。」
児島「この人独特のシンセの感覚が出ていて、非常にいいアルバムだと思います。」
渋谷「では、イギリスでも結構話題になっていますか」
児島「話題になっていますよ。」
渋谷「では、本格的にソロ活動が始まるということで、注目している感じですね。」
児島「さらに今回はソロツアーもあるんですよ。」
渋谷「気合が入っていますね。じゃあ注目していきたいと思います。Things People Want。」