音楽のおべんきょうφ(.. )メモメモ

NHK-FMWorld Rock Nowでの渋谷陽一氏の解説で面白かったものをメモしてゆきます。

キング・クルー(King Krule)はカマシ・ワシントン(Kamasi Washington)やロバート・グラスパー(Robert Glasper)よりジャズである説

20171110

 キング・クルーの最新作、ソロとしては二枚目の作品になります「The OOZ」という作品を紹介したいと思います。キング・クルーはデビューした時が16歳くらいで、この年齢で大人な雰囲気を持っていて、ありとあらゆる音楽ジャンルを取り込んだ非常にオリジナルな世界を構築した素晴らしい才能として評価されています。セカンドアルバムでより一層の進化をとげて、二十歳そこそこではございますけれども、素晴らしい作品を作ってくれました。Biscuit Town。



 ほんとうにありとあらゆる音楽の要素を、要素として取り出すというのではなくて、完全に自分の中で肉体化している。日本でもフェスで来日したりしていますけれども、これが本当にフィジカルな形でステージでも再現されておりまして、すごいなぁと思います。現在は23歳。若いのに間違いない、そういうすばらしい才能です。続いての曲はDum Surfer、クズなサーファーという曲なんですけれども、

  バカなサーファーが金をくれる
  賭けに勝って小便がしたい
  今演奏しているこのバンドときたらどうしょうもないクズな曲をやって
  まるでスカンクの屁とたまねぎの汁のよう
  脳みそがマッシュポテトのようになっちまう
  お役所の埋蔵金をちょろまかした彼は
  運にまかせてオケラになった
  彼はズタボロ
  僕もズタボロ
  二人ともズタボロだ
  その中はそんな風に真っ二つにぶった切られない
  金星が軌道を一回りする間に
  僕は心なしか押しつぶされた気分になった
  強火で素早く炒めてもごまかせず
  またしても尿意がきた
  彼女は英語を話したが
  僕らの席は明かりが暗かった
  彼女の顔を覚えているが
  それが最後の曲だ



 すばらしい曲ですよね。キング・クルーって混沌としていてダークな世界なんですけれども、どこかに透明感があるという感じがするんですよね。僕はそれに2017年の23歳のリアルを感じてしまうんですけれども、続いてはわりとハードな曲です。これもすばらしいんですけれども、Emergency Blimpという曲です。歌詞もなかなかユニークです。
  
  明かりを見ると痛むだろうと彼は言った
  思うに僕の脳は精一杯で左側で決断できないんだ
  それでも医者は大丈夫だと言った
  ただこれを真夜中に飲むようにと
  君は深い眠りに落ちるだろうと
  頭はベッドに寝ているけれども
  僕の心は起きたままだ
  この錠剤を飲むと
  この錠剤を飲むと
  よだれを垂らしてしまう
  いいかこの錠剤を飲むと
  この錠剤を飲むと
  よだれを垂らしてしまうと言っているんだ
  医者に言ったんだ
  あんたの治療はおかしいと
  すると彼は僕にもっと処方した
  でも一年たっても何の変化もない



 カニエ・ウェスト(Kanye West)とかフランク・オーシャン (Frank Ocean)も高く評価をして、フランク・オーシャンは一緒にやろうと言っていたけれども実現しなくて、その辺どうなのとキング・クルーに聞いたインタビューがあるんですけれども、キング・クルーは、「家に来てリズム作ってやったんだけれども全然作品になってないってことは、きっとダサいって思ったんじゃないの」って、その辺の感覚もすごいと思います。

 最近年がら年中言っていることですけれども、一定のジャンルにこだわりなくジャズやヒップホップ、R&Bやインディーロックなどの要素を含んだみたいなことを私はよく言いますけれども、そういうようないろいろな要素がクロスオーバーしているものというのは、今の若い世代のサウンドにすごく共通する、そんな感じにどんどんなってきていますよね。言うまでもなくキング・クルーというロンドンのミュージシャンですけれども、彼の音楽もそういうそういう所があって、19曲入っていてその中でどれだけ多様な音楽性が表現されているのか、すごいなぁと思います。これはすばらしいことで、どんどん音楽的要素がボーダレスになっていって、例えば、カマシ・ワシントン(Kamasi Washington)、ロバート・グラスパー(Robert Glasper)なんかより、僕なんかはキング・クルーの方がジャズの要素をより一層強く感じたりして、だから音楽的スタイルだけではなくて、マインド設定や思想的な有り様みたいなものが音楽を決定づけているというような、ある意味コンテンポラリーではあるけれども、ひょっとすると音楽の原点により一層戻ってるんじゃないかなとも思います。

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