ラジオFMのメモ

NHK-FMWorld Rock Nowでの渋谷陽一氏の解説で面白かったものをメモしてゆきます。

モリッシー(Morrissey)の歌詞は深くて文学的であるが英語はシンプルでわかりやすい説

20171208

 モリッシーでI Wish You Lonely。


 モリッシーらしいタイトルのナンバーですけれども、彼の三年ぶりのニューアルバム「Low in High School」から聞いていただきました。ジャケットを見ると、モリッシーTシャツを着た少年が反君主制と書かれたプラカードを持って、斧をもって立っているという。モリッシーはやっぱりモリッシーです。I Wish You Lonely、君が孤独でありますようにというタイトルからしてモリッシーらしいんですけれども、この曲もやはりアンチ君主制を基本としたメッセージ、そして愛にドラッグに安直に依存する人間の有り様に対しての抜本的な批判が、いまのポップなメロディーで歌われております。続いてはSpent the Day in Bedという、これまたモリッシーらしいタイトルですが、この曲がリードシングルになっております。日本語訳はまで出ていないんですけれども、これは私のような最低の英語力でもわかります。

  Spent the day in bed
  Very happy I did, yes

 という。とにかく家で寝ていることが最高だぜ。一日そうやって暮らそうぜという。

  I spend the day in bed
  I’m not my type, but
  I love my bed

 俺はそんなタイプじゃないし自分自身でもこんなのは好きじゃないんだけれども、やっぱりベッドって最高だよねと。

  I recommend that you

 これを君にも勧めるぜ、という。そして、サビの部分が、

  No bus 
  No boss
  No rain 
  No train
  No highway

 バスもいらきゃ、上司もいらなきゃ、電車もいらなきゃ、ハイウェイもいらなきゃ、何もいらないぜというのが延々と続きます。そして、とにかくSpent the Day in Bedとそういうメッセージのナンバーです。Spent the Day in Bed。



 モリッシーというのは言うまでもなく非常に文学的な才能が高く、その歌詞の詩的な完成度の高さは誰もが認めるところですけれども、それと同時に、聞いていただければわかりますけれども、ものすごくわかりやすいメロディーを持ったポップなサウンドを作るそうした意味でもすごく才能に長けた人で、それにのる言葉というのはある意味深くて文学的なんだけれども、すごくシンプルで分かりやすいというそういう本当にすぐれた能力を持ったソングライターなわけでございますけれども、I Wish You Lonely、これは誰でもわかる英語でございます。Spent the Day in Bedも非常にわかりやすい英語でございます。続いてはWhen You Open Your Legs。これも中学生でも十分わかります。君が股を開くときという曲でございまして、すごくシンプルなメッセージといえばシンプルなメッセージで、モリッシーらしい歌詞というえばモリッシーらしい歌詞なのですが、でもこれは同時に政治的な意味合いみたいなものを持っていて、君が足を開くとき政治的な困難さはみんな忘れ去れてしまうという、読み込めば読み込むほど意味の深い楽曲であります。でも、エキゾチックなメロディーラインとポップなサウンドというのは、普通に聞くと楽しいなぁという曲になっております。つまり、モリッシーワールド大爆発のナンバーを聞いてください。When You Open Your Legs。





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