ラジオFMのメモ

NHK-FMWorld Rock Nowでの渋谷陽一氏の解説で面白かったものをメモしてゆきます。

現在のザ・ビートルズ (The Beatles) 、ミーゴス(Migos)

20180323

 ミーゴズの最新アルバム「Culture II」を聞いていただこうと思います。これほど内外格差の大きいユニットはないですよね。今やヒップホップシーンを征服したといってもよい巨大な存在のミーゴス。しかし、そんな事を言ってもぜんぜんピンとこない日本の音楽事情。ゴールデングローブ賞でいろいろ賞をとったドナルド・グローヴァー(Donald Glover)、ヒップホップシーンではチャイルディッシュ・ガンビーノ (Childish Gambino)という名の方が通りがいいですけれども、彼がミーゴスについて、「まさに彼らはこの時代、俺たちのビートルズなんだ」と言ったわけですけれども、全然ピンとこないですよね。でもまさにそんな存在なんですよね。彼らが登場したことによって、ヒップホップは文体から構造から音の在り様からみんな変わってしまったという。ミーゴス以前とミーゴス以後ですっかり変わってしまったというとんでもな存在なんですけれども、その変わり方がなんとも説明しにくいという。当初出てきたときは、ユニークなスタイルと歌詞もある意味前衛的なわけですけれども、でも難しいことを言っているわけではなくて、ブランドの名前をただひたすら連発しているって、これちょっと頭悪すぎないかっていうシュールな歌詞でガンガンきているんですけれども、でも音楽の洗練度と彼らの存在とメッセージと在り様は本当に革命的な存在だと僕は思っています。こんなユニークなスタイルですと、おんなじワンフレーズを延々続けて、でもいっぺん聞き出したらやみつきになってしまうと、そういう感じのある彼らの音をまずは一曲聞いていただきたいと思います。Walk It Talk It。



 このスタイルが今やヒップホップシーンを席捲しています。最初にミーゴスを聞いた時のこのゆっくりさと音数の少なさ、そしてこの三連符連発の独特のヒップホップスタイルというのは非常にインパクトがあって、そしてビデオを見るととにかくどれだけゴールドのアクセサリーをいっぱいつけて、豪華な車にのって、裸のお姉さんをいっぱい侍らすのが一番偉いかみたいなこの世界観だったら頭痛いなぁという感じだったんですけれども、でもこの音はすごいですよね。そして、彼らが持っている一つのカルチャーみたいなものはものすごく強固なものとして確立されていて、ものすごい影響力を行使して、アルバムも当然のごとく全米ぶっちぎりのナンバーワンになり、セールス的にも文化的にも音楽的にも、あるとあらゆる人達のフィーチャリングアーティストとして登場していて、本当に今はミーゴスの時代だということで、どんどんいこうと思います。Gang Gang。



 ミーゴスファンからなんでこの曲を選ぶのかと言われるかもしれませんが、ヘヴィ・メタルバンドのバラードをかけているみたいなものかもしれませんが、ミーゴスのディープなナンバーはいろいろ大変で選曲には苦労したのです。なんとミーゴスが来日するという情報があって、「えー、ミーゴス来日。絶対来ないよな」と思いながらもすごく楽しみにしていたら、寸前になって「不測の事態でミーゴスは来日中止」って。「やっぱりなぁ、不測の事態ってよくわからないぞ」みたいな感じで、日本でライブを見ることはできなかったんですけれども、見たかったなぁという感じがします。さすがにこれだけポップミュージックシーンを席捲しているので、日本においてもだんだんミーゴスについてのいろいろな情報が入ってきて、みなさんも全体像をつかむことができるかもしれませんが、ここではもう一曲、これも普通のポップミュージックファンに届く、彼らの音楽的な広さを感じさせるナンバーを選ばせていただきました。Culture National Anthem。



 ミーゴスの中では特出してポップな曲だけ選んだので、よりディープな形はまた別の形でみなさんがチェックしていただきたいなと思います。


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