ラジオFMのメモ

NHK-FMWorld Rock Nowでの渋谷陽一氏の解説で面白かったものをメモしてゆきます。

ジミ・ヘンドリックス(Jimi Hendrix)、奇跡の3年間

Kenrocks Nite - Ver. 2 20180429 解説は大貫憲章氏です。

 1960年代に生まれたロックの一大レボルーションがサイケデリックロックです。まずはサイケといえばこの人でしょうという感じもあるかもしれませんが、ジミ・ヘンドリックス(Jimi Hendrix)は、アフリカ系のお父さんとアメリカの先住民系のお母さんを持つ、いわゆるブラック・インディアンと昔はいわれていましたけれども、そのジミ・ヘンドリックスが最初に作ったグループがザ・ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンス(The Jimi Hendrix Experience)ですが、彼らのデビュー作品がまさに「Are You Experienced」なんですけれども、ではそのアルバムのタイトルトラックAre You Experienced。



 サイケは1960年代半ばくらいに誕生しました。何をもってサイケというかの定義はいろいろだと思いますが、これまでの音楽がポップスという形で、シングル盤を中心に3分間の娯楽としてやっていたものが、徐々にミュージシャンの意識だとか、社会の状況、録音機材の改良とか進化とかいろいろあって、音楽を3分間の楽しみというか聞いて楽しいなという楽しみだけじゃなくて、ミュージシャンの意識そのものを伝える、1960年代の世の中の事象とも合わさって、これまで音で表現できなかったことを表現してみようじゃないかとそういう風になってきます。「Revolver」だとかその前の「Rubber Soul」だとか、ビートルズ(The Beatles)あたりがその始まりだといわれていますが、コンセプトに基づいたアルバムを作ろう、シングルじゃなくてアルバムを作るという意味で、まさにエクスペリエンス、実験的なことをやろうという気運がありました。それは、中心地はアメリカとイギリスとヨーロッパの一部でしたけれども、世界的な気運として起こりました。ジミ・ヘンドリックスはその時代の寵児。人気者でもてはやされたんですけれども、そのジミ・ヘンドリックスは1942年、シアトル生まれですね。1970年に亡くなっているわけですけれども、15歳くらいでギターを覚えて、兵役に行ったのが1964年で、帰ってきて1965年から本格的なミュージシャン活動をしていろいろなバンドを転々として、自分のバンドは持ってないんですけれども、いろいろなところで演奏をしたという風に言われています。活動しているところを1965年の秋にアニマルズ(The Animals)のベースにチャス・チャンドラー(Chas Chandler)という人がいるんですけれども、その人に見いだされて、お前イギリスに来いよ、イギリスで一旗揚げようぜみたいなことを言われたのかどうかはわかりませんが、渡英して、オーディションでメンバーを見つけて、3人組のザ・ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスが活動を開始しました。そして、1967年にデビューアルバムの今ご紹介しました「Are You Experienced」を発売して、みんながブッたまげたということですね。エリック・クラプトン(Eric Clapton)曰く「誰もジミのようには弾けない」って言って、ジェフ・ベック(Jeff Beck)なんかは「俺は廃業しようと思った」なんて言ったとか、そのくらいショックな彼の登場でした。確かに手法が、技術的なものも含めて、独特なサウンドが聞けましたよね。ジミ・ヘンドリックスは自分の音楽のことを「エレクトリック・チャーチ・ミュージック」、要するにエレキの教会音楽と自ら言っていたんですけれども、まさにそういうような印象ですよね。実質1967年にデビューして1970年に亡くなっちゃうわけですから、3年間なわけですね。その3年間で普通のミュージシャンが一生かかってもできないような所に到達しちゃったと思うんですよね。スーパースターはこういう風に生まれて、こういう風に去っていくっていう一つの形を作っちゃいましたけれどもね。

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