音楽のおべんきょうφ(.. )メモメモ

NHK-FMWorld Rock Nowでの渋谷陽一氏の解説で面白かったものをメモしてゆきます。

AORについて ボズ・スキャッグス(Boz Scaggs)

 今回は、「今日は一日“AOR”三昧リターンズ」よりAORについてまとめます。解説は、金澤寿和氏です。

 どこがAORの起源なのかというのは非常に難しい問題なんですけれども、ニック・デカロ(Nick DeCaro)という人が、いろいろなAORっぽい曲をまとめて形態づけたというか、定義づけましたが、それをさかのぼると、いろいろなAORに向かう曲があります。例えば、ザ・ビートルズ (The Beatles)なんかもジョージ・ハリスン (George Harrison)の独特なコード進行とか、ちょっと黒っぽいスワンプに向かう所とかがAORっぽいと思います。ポール・マッカートニー(Paul McCartney)なんかとは違って、ジャズっぽいコードを使う所が第一歩です。ビートルズは1960年代ですから、そいういったルーツはたくさんあると思いますが、いろいろな人がAORっぽいことをやりだして、ミクスチャーをやりだして、一つ完成形としてポンと出したのが、ボズ・スキャッグスではないかと思います。What Can I SayとBreakdown Dead Ahead。



 モータウンのプロデューサーのジョニー・ブリストル(Johnny Bristol)を起用して「Slow Dancer」というアルバムを出すんですけれども、その後のツアーで、ドレスコード付きのオーケストラを従えたライブをやっています。「Silk Degrees」が出た後に初来日するんですけれども、その時には化粧品メーカーがスポンサーについて、女性客に口紅のサンプルを配ったという、ことごとくオシャレな男を演出していました。ボズはもともとはブルースの人でした。1960年代はギター一本持って、ヨーロッパを放浪して、アシッドフォークみたいなことをやっていたんですけれども、その後スティーヴ・ミラー・バンド(Steve Miller Band)に参加して、1969年の全米デビューアルバムはオールマン・ブラザーズ・バンド(The Allman Brothers Band)のデュアン・オールマン(Duane Allman)と一緒にやって、かなりコテコテのブルースアルバムを出していました。それが1972年頃からだんだんブルー・アイド・ソウル(Blue-Eyed Soul)のシンガーソングライター路線にきて、1975年の「Slow Dancer」を出して、モータウンのプロデューサーが来て、黒人のやり方を体得するんでしょうね。それを今度は白人のスタッフに置き換えたのが、1976年の「Silk Degrees」という大ヒットアルバムで、これは全米2位になりまして、115週、つまり2年くらいチャートにずっと入っていました。だから本当にAORのスタイルの第一歩というか、最初に確立した人といっていいと思います。「Silk Degrees」の中ではLowdownという曲がポピュラーで、この曲はヒットチャート3位まで上がっているんですけれども、What Can I Sayは「Silk Degrees」の一曲目で、三枚目のシングルなんです。アルバムカバーも、浜辺にちょこっと座って、女の人の手なんかが写っていたオシャレですね。それで、ブルー・アイド・ソウル(Blue-Eyed Soul)的なAORが1970年代には流行っていくんですけれども、「Silk Degrees」からTOTOがバンドとしてデビューしていったということもあります。1980年代に入って、AORもちょっとロックよりに流れていきます。そうするとボズは、ギターをもって、アレンジとキーボードにデイヴィッド・フォスター(David Foster)をつけて、1980年に「Middle Man」というアルバムをだしました。その最初のシングルがBreakdown Dead Aheadでした。だから、ボズと言う人は、「Silk Degrees」でもそうですし、その次の「Down Two Then Left」ではマイケル・オマーティアン(Michael Omartian)という、この頃ディスコヒットを飛ばしていた人を使って、その次ではデイヴィッド・フォスターを使ってと、まさにAORの一番旬なアレンジャー、サウンドプロデューサーを使っている、時代時代で常にAORの最先端を歩いている人なんですね。1980年代の一時期、AORがちょっと廃れた時期がありましたけれども、この時期は音楽から一歩引いて、レストランを持っているんですけれども、そちらの経営に走りつつ、1988年頃のAORリバイバルの時期に真っ先に出てきて「Other Road」というアルバムを発表したのもボズでした。常に、風を読むのがうまい人だなという感じがしますね。



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