音楽のおべんきょうφ(.. )メモメモ

NHK-FMWorld Rock Nowでの渋谷陽一氏の解説で面白かったものをメモしてゆきます。

チャイルディッシュ・ガンビーノ (Childish Gambino)に学ぶ、今のミュージシャンは音楽、映像、ライブのトータルで表現を作っていく能力が必要である説

20180527

中村明美「チャイルディッシュ・ガンビーノの話題の新曲This Is Americaについてです。チャイルディッシュ・ガンビーノはラッパーといえばラッパーなんですが、一番新しい作品「Awaken, My Love!」はグラミー賞のアルバム賞にもノミネートされるくらいのすばらしい作品だったんですが、それをラップではなくいきなりR&B、ファンク作になっていたので、一言ではくくれないアーティストです。しかも、ミュージシャンのみならず俳優としても大活躍していて、最近のスター・ウォーズ作品「ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー(Solo: A Star Wars Story)」にも出演していますし、何よりアメリカで大ヒット中のテレビシリーズ「アトランタ(Atlanta)」という番組があるのですが、そこで監督、脚本、主演もしてしまうという、才能の塊のような人なんです。このような背景があるからというのも大きいと思いますが、彼が発表したThis Is Americaという新曲は、曲自体だけではなくて、ビデオ込みでの優れた作品で、世界中が驚愕しているというか、みんなが見まくっているので一瞬にしてシングルチャートの1位になってしまいました。見ていたがければわかりますが、この作品に描かれているのは、最初は南アフリカ特有の明るいダンスをしながらチャイルディッシュ・ガンビーノが登場するのですが、次に一瞬にして目の前に現れた人を撃ち殺してしまうというすごい衝撃の映像が現れまして、その次の瞬間にまた踊りだすんですけれども、今度は機関銃を手にして黒人のコーラス隊を無残にも殺してしまうという、そういう映像が基本的には流れつつ、最後にはこれがアメリカなんだと。そこでおそらく銃社会とか、黒人社会のリアルを描いているということで、そのほかいろいろ見ていくと背景に映し出されているものなど、何を象徴しているのか、歴史やリアリティーを象徴しているということで、メジャーなメディアからブロガーまでが何を象徴しているのか読み解くという、今でも語り継いでいるというすごい現象が起きています。実はこのビデオを監督したのはHiro Muraiといいまして、日本生まれの監督でして、彼がアトランタというテレビシリーズをチャイルディッシュ・ガンビーノと一緒に作っていて、そこで黒人社会のリアルを描いているというのもこの作品につながっていて、画期的な手法で斬新なすばらしい作品を作ったなぁと思います。」

渋谷陽一「見てみてすごい力強い作品だなと思いましたが、これだけメッセージ性が強く、なおかつ衝撃的な内容を扱っていると、それにすべての話題がフォーカスされがちなのですが、この作品がすばらしいのは曲がすばらしいのは当然のこと、映像作品としても非常に洗練されていて、内容の衝撃性を作品の質が別の形で担保しているという、本当に理想的な形になっているところがすごいなぁと、本当にこの人の才能はすごいなぁと思いますね。」

中村「そうですね。テレビシリーズでも画期的な作品を作っているというのもあって、音楽性と彼の作家としての才能が結集して、今アメリカの価値観を見直すような作品が映画でも音楽でもいろいろできていますが、例えばビヨンセ(Beyonce)とかケンドリック・ラマー (Kendrick Lamar)がピューリッツァー賞(Pulitzer Prize)をとったばかりですけれども、とりわけ白人至上主義と言われているような社会の中で黒人のアーティスト達が頑張っている、彼もその一事例だなと思います。」

渋谷「本当にすばらしいビデオクリップだと思います。映像を見てこの曲を聴くと、またより一層感慨深いのではないでしょうか。This Is America。」



渋谷「彼のように映像作家としてもものすごい才能があり、トータルで表現を作っていくというのは一つの理想形なんですけれども、そういう形ではなくてもいまやアーティストというのは、ミュージシャンというのは映像において何かを表現する、映像メディアにおいて一つのメッセージを出し、特にシングルというかこういう一曲一曲の場合は、そういう世界観をしっかり提示していくのはCDを作ることと同じような表現の在り様であって、そしてCDを作り映像を作り、それを最終的に全部統括する形でのライブパフォーマンスがありと、今のミュージシャンの表現の形というのはそういうような形で、いろいろ多角的であるし、一つのトータリティーのようなものが要求されて、それをオーガナイズしてプロデュースする能力がミュージシャンとしての能力として問われてくるという、見る側にとってはすごく楽しい状況ですけれども、作る側は大変だなぁと思います。」

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