ラジオFMのメモ

NHK-FMWorld Rock Nowでの渋谷陽一氏の解説で面白かったものをメモしてゆきます。

ニューヨークパンクとロンドンパンクの違いとは その1

Kenrocks Nite - Ver. 2 20180617

大貫憲章「パティ・スミス・グループ(Patti Smith Group)でBecause the Night。」



大貫「彼女の幅広いアートというか、そういうセンスが彼女を大きな輝きにしているのかなと思います。もともとは歌手ではなくて、詩の方でニューヨークで活動をしていました。今はヒップホップがありますが、パティ・スミスはポエトリーリーディングに音楽をつけようとした人なんです。音楽をバックにポエトリーリーディングをやっている活動の中から、レニー・ケイ(Lenny Kaye)とかそういう人達と出会って、バンドやろうかという形で始めました。だから最初の頃とか、モノローグというか、淡々と、歌ともポエトリーリーディングとも違うようなものがあったりして、でもそういうものがアートな感じで、新しいなというものがあったので、注目されました。そういう環境なので、ロンドンパンクよりもニューヨークの方がアートっぽいというか、ちょっと理屈っぽいというか、そういうのがありました。

Katchin'「テレヴィジョン (Television) もそんな感じじゃないですか。あまり好きじゃないんですよね。」

大貫「そういう人多いよね。理屈をこねていればいいと思っている所があるとか、暗く陰鬱にやればいいと思っている所があるとか、そういう言われ方もしていました。そこに行くとロンドンパンクは、サクッとしていて、炸裂していて爆発していてカッコいいよねみたいな。

Katchin'「ロンドンパンクは分りやすい。」

大貫「見た目もカッコいいし。ファッションも。あの頃のニューヨークパンクは、暗くてうつむき加減で、みたいなのがありました。ラモーンズ(Ramones)とかは違いましたけれども。」

Katchin'「でも、ラモーンズも案外歌詞の内容は暗いですからね。曲自体はストレートなロックンロールみたいな感じだけれども、歌詞は暗い内容なんです。」

大貫「暗いっていうのは、Bonzo Goes To Bitburgみたいに詩的に暗いの?」

Katchin'「詩的に暗い。」

大貫「ピストルズ何かとはちょっと違う?アンチクライストとかじゃないの?」

Katchin'「違います。個人的な事だけど、暗かったりしているんですよね。」

大貫「なるほどね。前のニューヨーク・ドールズ (New York Dolls)もそうかもしれないけれども、ニューヨークのアンダーグラウンドなクラブサーキットのイメージというとザ・ヴェルヴェット・アンダーグラウンド (The Velvet Underground) とか。」

Katchin'「そうですよ。暗いよね。」

大貫「どっちかっていうと暗いよね。あまりパーッと派手にいこうぜという感じではないね。その辺はつながっているのかもしれないし、またニューヨークパンクが好きな人は、そういうアート感覚を求めますよね。ニューヨークパンクが先だったから、ニューヨークパンクを先に聞いた人もいます。フリクションとかの東京ロッカーズは、どちらかというとロンドンパンクみたいなアンチクライストではなくて、内向きな内省的な歌が多かったというのも、ニューヨークパンクの影響があるのかもしれませんね。」

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