ラジオFMのメモ

NHK-FMWorld Rock Nowでの渋谷陽一氏の解説で面白かったものをメモしてゆきます。

ジョニー・マー(Johnny Marr)に学ぶ、ギタリストが歌うことの意味

20180701 

 ジョニー・マーでMy Eternal。



 彼の三枚目のソロアルバム「Call the Comet」の中の一曲をピックアップさせていただきました。ジョニー・マーのソロアルバムについては、児島さんが「私はジョニー・マーにとっとと歌えって言ったのよ。昔は俺が歌うなんてって言ってたんだけれども、本格的に歌ったらすごくかっこよくてこんなにすばらしいアルバムができました」っていうレポートをしていただいて、その時に一曲かけて、皆さんの中でもジョニー・マーの新作がどういうものであるのかについて、それなりに刷り込まれているわけですけれども、今日じっくりと聞いていこうと思います。ジョニー・マーというのはみなさんご存知の通り、モリッシー(Morrissey)とともにザ・スミス (The Smiths) の中心メンバーとして、コンポーザーとして、そしてなりよりギタリストとして、ザ・ローリング・ストーンズ (The Rolling Stones) のキース・リチャーズ(Keith Richards)的な立場として活動していましたが、解散後はギター一本を背中に抱えた渡り鳥みたいな感じで、プリテンダーズ(The Pretenders)をはじめいろいろなバンドをフラフラと渡り歩いて、自分でもちょっとしたバンドをザック・スターキー(Zak Starkey)なんかと一緒に作ったりしたのですが、なかなか定まらず、これぞジョニー・マーがやるべき大プロジェクトという所がなかなかなくて、ファンにとってはもどかしい日々が続いていたわけですけれども、この作品は今聞いていただきましたように非常に優れてますし、商業的にも結構行きそうな作品になっています。これでジョニー・マーは新たなミュージシャンとしてのアイデンティティー形成に成功するのではないかと、そういう手ごたえがあるアルバムであります。Hey Angel。



 ギター弾きまくって最高ですね。ジョニー・マーのギターに対するファンの満足度も高いでしょうけれども、でも歌もいいですよね。ギタリストが歌を歌うっていうのはどういうことなのかなと、自分としては常にギターを弾いているつもりだったんだけれども、何かいろいろな環境のもとで歌わなければならないという状況が出てきたときに歌うっていうのは、それなりにハードルがあるみたいですね。ジミ・ ヘンドリックス(Jimi Hendrix)は歌を歌っていますけれども、やっぱり自分の歌がそんなにうまくないということにコンプレックスがあって、ギターはそれこそ銀河系一のギタリストなわけですけれども、それに対して自分の歌をどう位置づけるのかというのは、かなり悩む所のようであります。悩んでいた所にAll Along The Watchtowerを歌った彼の歌を聴いていたボブ・ディラン(Bob Dylan)に、「最高じゃん」みたいなことを言ってもらえて、背中を押してもらって、ボブ・ディランに背中を押されるということは大きいことで、ジミヘンにとっても歌を歌うということに踏み出せるきっかけになったのでしょうけれども、例えば、エリック・クラプトン(Eric Clapton)だって歌を歌うつもりはなかったと思うんですよね。ジミヘンもクラプトンも、ナンバーワンボーカリストではないんだけれども、何かをきっかけに歌うということに踏み出して、そのことによって自分自身の音楽が最終的にすごく立体的に完成されるというそういうプロセスがあります。ジョニー・マーもここに来るまでにものすごい長い時間がかかって、モリッシーというモンスターが横にいたので余計にそういうことなのかもしれませんけれども、でもそうやってジョニー・マーが自分自身の音楽的世界をある意味完成させた、そんな作品だと思います。Day In Day Out。





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