ラジオFMのメモ

NHK-FMWorld Rock Nowでの渋谷陽一氏の解説で面白かったものをメモしてゆきます。

ロック鎮魂歌、ポスト・マローン(Post Malone)のRockstar

20180708 
 
 ポスト・マローンのセカンドアルバム「Beerbongs & Bentleys」を紹介します。アメリカでは4月末にリリースされましたが、今年最大の話題作と言っていいと思います。とにかく今、世界中でもっとも売れてるアーティストですが、日本ではそういうことを言われてもいまひとつピンときません。ポスト・マローンを語るときにまず言われる情報が、全米チャート100位以内にアルバム全18曲がすべてランクイン。そのうちトップ20に9曲が同時チャートインという、54年ぶりにザ・ビートルズ(The Beatles)の記録を塗り替えたと、ありえないですよね。空前絶後の売れ方というか、本当に天文学的な成功を手に入れたポスト・マローンなんですが、写真を見てもわかるのですが、冴えない白人の兄ちゃんだかおっさんだか、基本的には兄ちゃんなんでしょうけれども、髭面でもじゃもじゃ頭だからおっさん感があるんですけれども、でもすごいんです。その中でも一番象徴的なRockstarという曲を聴きますが、この曲は全米ナンバー1をシングルチャートで8週間ですよ。聞いていただければわかりますが、地味です。でもはまってしまうと離れなられない不思議な魔力をもった曲で、タイトル通りにロックスターの曲で、酒と女とロックンロール、この豪華な暮らしを俺はロックスターだからしてるぜっていう歌詞からみるとすごくイケイケな曲なんですけれども、でもこの全体に漂う得も言われぬたそがれ感というかやるせなさが、まさに今の時代を象徴する、すごい曲だと思います。Rockstar。



 2017年、去年の9月にリリースされて、そこから8週間ナンバー1を獲得し、2017年最もトップの座に君臨したヒップホップシングル、そして配信の初週では2500万回再生されて、これも空前の記録になっています。面白いのはロックスターという言葉がすごくやるせなさと斜陽の象徴みたいな感じで、歌詞的には豪華だぜ、豪華だぜ、最高だぜと歌われているんですけれども、メロディーの佇まいは最高でも豪華でもなんでもなくてたそがれているという、ロックに対する鎮魂歌という趣が、時代の雰囲気といろいろなものののテーマが一体となって、この素晴らしいメロディーで人々の心を打ったと、私の心も打ったんですけれども、そういう感じがします。この番組のリスナーに、ポスト・マローンはこういう人なんですよという一番わかりやすい楽曲を聞いていただこうと思います。Stay。



 ヒップホップじゃなくてロックじゃんって思われるかもしれませんが、ヒップホップなんですよ。まさにこれこそが23歳のメタルバンドのギタリストになるためにオーディションを受けていた若者が、最終的にヒップホップを選んで、ヒップホップで世界的な大成功を手にしたという今日的な在り方そのものが、67歳だから許してもらおうと思うんですけれども、それがロックなんだという感じが僕なんかはするんですけれどもね。Better Now。





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