小林克也の音楽グラフィティ 20180817
ニーチェの引用で面白く聞かせてくれる曲です。カニエ・ウェスト(Kanye West)でRunaway。
今はラップも、歌うラップ、半歌いラップ、脱力系のラップ、暗いラップだとかいろいろあるんですけれども、カニエという人がいたから、いろいろ広がったと僕は思います。しかし、ものすごく困るのは、僕はアメリカの音楽を紹介するときに、歌だと言葉が壁にならなんですよ。だけど、ラップは言葉がすごい壁になるんです。普通の歌の場合は言葉に神経を使わなくても、7割か8割くらいは感情やいろいろなものが伝わるんですけれども、ラップはその反対なんですよね。2割とか3割くらいしか伝わらないんですよ。それで、洋楽を紹介する自分としてはすごい困っているんですよ。アメリカのアルバムチャートなんか見ると、アルバムのトップ20のうち15枚くらいはみんなヒップホップとかラップ系なんですよね。そうするとますます、日本のものと離れていくんじゃないかなぁと思います。だから、カニエのRunawayあたりがちょうどいいんじゃないかなという気がします。