音楽のおべんきょうφ(.. )メモメモ

NHK-FMWorld Rock Nowでの渋谷陽一氏の解説で面白かったものをメモしてゆきます。

ロック、ついにR&Bやソウルに売り上げを抜かれる

20181202

1、マムフォード・アンド・サンズ (Mumford & Sons)

 今、音楽産業のヒットシーンの中で、苦戦を強いられるロック。ごく最近、R&B、ヒップホップのシェアがロックを抜いてしまったという衝撃の報告がありました。その中でも常にチャートの上位にいて、しっかりと支持を集めている ロックバンドの新作を二つ紹介したいと思います。それが日本のロックファンにとってなじみのあるバンドであるかどうかはまた別の話なんですけれども、まずはマムフォード・アンド・サンズ (Mumford & Sons)。出すアルバム出すアルバムすべてがナンバーワンという、大変な人気のロンドン出身の4人組フォークロックバンドであります。デビューアルバム「Sigh No More」が全世界で800万枚以上という驚異的なセールスで、グラミー賞や数々の世界的な賞にノミネートされたり受賞したりして、セカンドアルバムも全英全米ナンバーワン。そしてその次のアルバムもナンバーワン。その圧倒的な背景を持って、いろいろ4枚目がリリースされたという、その作品を聞いていこうと思います。まずはそのアルバムのオープニングナンバーで42。



 日本の場合は彼らの活動を細かくチェックしている人はそんなに多くないので、あれこういうバンドだったっけって思われた方もいるかもしれませんが、マムフォード・アンド・サンズというとバンジョーの音がして、すごくカントリーフォークな印象があるんですけれども、このバンジョーの音がするという言われ方がちょっとどうなのかという思いがマムフォード・アンド・サンズにはあって、3枚目のアルバムでバンジョーを排除して、自分たちのオリジナルなまた別の音を作るという挑戦をして、それが大成功したことによって余裕ができて、今回の作品はもういっぺん彼ら自身のオリジナルなテイストを持ちつつ、イノベーティブなもののしっかり出しつつと、非常にバランスの取れた作品になっています。今聞いていただいたU2感がバリバリと出ている、このドラマティックで大きなメロディーを持った感動的な曲以外にも、まさにこのロック受難の時代にあって、彼らが勝ち続けているというその手ごたえを感じさせる楽曲がいっぱい並んでいます。続いてはリードシングルになった曲を聞いていただこうと思います。Guiding Light。



 本当に大きなスケール感のあるサウンドデザイン。そして、ドラマティックで心を揺らすメロディーライン。まさにマムフォード・アンド・サンズの王道、音楽の商品性の格が表現された曲だと思います。ただ、1曲目、2曲目とすごいU2感があって、こういうバンドだったっけって思うかもしれませんけれども、当然いろいろなサウンドがあり、それぞれの楽曲にマムフォード・アンド・サンズの魅力があるんですけれども、続いてはこの曲を聴いてください。Women。



2、イマジン・ドラゴンズ (Imagine Dragons)

 続いて、厳しい戦いを強いられているロックバンドの中で勝ち組に所属している、注目バンドの新作を紹介したいと思います。イマジン・ドラゴンズの「Origins」を紹介したいと思います。これも4枚目になるんですけれども、イマジン・ドラゴンズも日本において、世界的な評価とリンクする人気を誇っているのではないので、ちょっと説明をすると、前作は全米チャート2位を獲得して、プラチナアルバムを達成し、ロックバンド限定の2017年の総セールスでは、メタリカ (Metallica)に続いて2位、そしてアメリカ大手音楽誌ビルボードチャートが発表するトップロックアーティストでは1位を獲得して、グラミーでは二部門にノミネートされているというトップバンドです。来日コンサートがあって僕も行ってきたんですけれども、ライブにおける腕力もすごいものがあって、なかなかのものでありましたけれども、このイマジン・ドラゴンズの注目の新作から、まずはリードシングルのナンバーを聞いていただこうと思います。Zero。



 渋谷陽一が売れてるロックって言うけれども、歪んだギターもなければ、シャウトもないじゃないかと思われる方もいるかもしれません。何をもってロックというかはいろいろ議論が分かれるところかもしれませんけれども、それこそマムフォード・アンド・サンズもイマジン・ドラゴンズも、明確に自分たちのバンドの姿勢としてはロックバンドとしてすごくクリアに出していると思います。何をもってロックというかは時代と共に変わってきているわけで、例えば、エミネム(Eminem)が自分のアルバムにフューチャリングアーティストとしてエド・シーラン(Ed Sheeran)を加えた時に、インタビュアーからあなたのラジカルな姿勢とエド・シーランの保守的な姿勢と全然違うんじゃないですかって聞かれて、エミネムはエド・シーランは全然アクチュアリティーがあるし非常にリアルなアーティストだと思うし、全然自分の立ち位置と全く違う感じはしないけどと、ごくごく当たり前のリアクションをしていましたけれども、やっぱりそういうことだと思います。今のロックがこういう形でないのであろうかなという気がします。確かに僕自身はもっともっと骨太でラジカルなサウンドでオルタナティブなものが好きですけれども、このマムフォード・アンド・サンズやイマジン・ドラゴンズが持っている時代との向き合い方、そしてロックがどうアクチャリティーをキープしていくかというやり方というのは、すごく今のシーンの中においてリアルだなという感じがします。イマジン・ドラゴンズのライブが終わった後、ポール・サイモン(Paul Simon)がいきなりかかって、当然彼らが選んだんでしょうけれども、そういうことなんだなぁと思いました。Stuck。



3、まとめ

 今回は、非常に売れている、市場でがんばっているロックバンドを紹介しまして、それとセットでロックバンドはチャート的に苦戦を強いられているという話をしましたが、僕はロックというスタイルがこのままなくなっていくとは思いませんし、ロックというスタイルがリアルなアクチャリティーを失っているとも全く思いません。例えば、ザ・チェインスモーカーズ (The Chainsmokers) みたいなバンドがどんどんイノベーティブになろうとし、それこそ時代と社会とコミットしようとしたらどんどんロック的なスタイルになっていくという所を見てもわかるように、ロックの有効性は未だに失われていません。ただ、今勝っているバンド二つをあげましたけれども、どちらもものすごくいいメロディーを書くんですよね。だから、ロックがロックというスタイルにおいて自足していた時代はもう終わって、どれだけ音楽として強いものを作れるのかという勝負の時代、ある意味いい時代だし、ロックがもう一回ロックの力を発揮できる、そういう時代ではないかと思います。

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