ラジオFMのメモ

NHK-FMWorld Rock Nowでの渋谷陽一氏の解説で面白かったものをメモしてゆきます。

再評価されるバッド・ボーイ・レコード(Bad Boy Records)

松尾潔のメロウな夜 20181231 

 リリカ・アンダーソン(Lyrica Anderson)でWreckless。



 この番組で最近よく話していますが、1990年代に一世を風靡したショーン・パフィ・コムズ(Sean Puffy Combs)、パフ・ダディー(Puff Daddy)率いるバッド・ボーイ(Bad Boy Records)の再評価が最近すさまじい勢いを感じさせますが、その一つですね。バッド・ボーイにトータル(Total)という三人組の女性ボーカルグループがいて、その人達の代表的なヒット曲でCan't You Seeという曲がありました。




 今は亡きThe Notorious B.I.G.をフューチャーした曲でしたが、それと同じ趣向の曲なんですよ。ハッキリと本歌取りということができます。もともとこのCan't You Seeという曲は、ジェームス・ブラウン(James Brown)のThe Paybackを引用した曲なのですが、ジェームズ・ブラウンよりもトータルに捧げられていることは明白です。フレンチ・モンタナ (French Montana)という人が、今のバッド・ボーイのラッパーですし、パフィーがらみでスターになった人ですからね。The Notorious B.I.G.の正統派の後継者とも言えますし。今こうやって話しながら、こういうストーリーって前もお話ししたよなぁと。ジェレマイ(Jeremih)とタイ・ダラー・サイン(Ty Dolla Sign)のユニットマイタイ(MihTy)のFYTという曲の時も同じ話をしましたね。The Notorious B.I.G.の曲を踏まえて作られて、フレンチ・モンタナがラップしているということで。広い意味では、マライア・キャリー(Mariah Carey)のA No Noという曲も同じ方法論で作られた曲なのですが、そのもとになっているバッド・ボーイ・レコードの90年代の作品群。当時は、やれコードが不協和であるとか、音楽としていかがなものかであるとか、音楽的に正しくないとかいろいろな言われ方をしたものですが、今になってみると新しい価値観が世の中に出てきたときに、それまでとの差異が気になってしまうリスナーたちの一時の拒絶反応だっただけで、後にその異端が主流になっていくのを見てきた立場からすると、20年後くらいにこうやってそこへのリスペクトをささげた新作が出てくるということで、やっぱり時間が証明していくものがあるんだなぁと思いますし、今目の前に出てくる新しいものにもオープンマインドで接していきたいなぁと思います。

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