ラジオFMのメモ

NHK-FMWorld Rock Nowでの渋谷陽一氏の解説で面白かったものをメモしてゆきます。

100 Gecsに学ぶサブスクリプション時代の音楽とは?

20200112

 100 GecsでHand Crushed by a Mallet。


 これからのポップミュージックシーンを象徴するアーティストの登場でございます。セントルイスのプロデューサーデュオ二人組なんですけれども、まだ若い二人組が作っている100 Gecs。これから聞いていけばわかるんですけれども、彼らについて音楽ジャンルを云々することはあまり意味がないというか、まさにポップミュージックが新しいステージに乗っているということをリアルに感じさせる、すごく面白い才能だと思うし、すごく面白い作品だと思います。800db Cloud。



 なんなんでしょうかね、これは。とあるこのバンドを紹介する紹介文には「ポップパンク、ナイトコア、スカ、ダブステップ、分解されたクラブ、トランスメタル、そしてハッピーハードコアの要素がミックスされた、スクリレックス(Skrillex)とソフィー(SOPHIE)の間をいくようなサウンドで話題を呼んでいる」という、なんの説明にもなってないじゃないかよと思いますが、こういうことを書く気持ちもわかるし、今聞いていただきますと非常にデスメタルっぽい所もあるし、これから聞いていただきますけれども、わりと王道のR&Bみたいなのもあるし、もうなんでもありなんですよ。今の音楽シーンは本当にこういう状態になっていて、なぜこういう状態になっているかというと、一つの音楽ジャンルに対してなにがしかアイデンティファイするという姿勢そのものが、もう若い世代にはないという話を僕は年がら年中してますけれども、音楽の聴き方自体がサブスクリプションの影響によって、とにかく年代もジャンルも何でもいいから常に何十万曲、何百万曲の情報が怒涛のように入ってきて、その中で自分の中で処理をするという、そういう聴き方と音楽に対する姿勢が全然変わってきちゃったんですよね。その中から生まれてきているものというのは、それはもうビリー・アイリッシュ(Billie Eilish)であろうが、レックス・オレンジ・カウンティ(Rex Orange County)だろうが、この100 Gecsだろうがみんな一緒という感じが僕はします。Stupid Horse。


 こういう若い世代のすぐれたアーティストの特徴は、とにかく曲が短い。メロディーがいい。パフォーマンスは肉体的だけれども、音源的にはPC上で作られている、という特徴があって、すごく面白いなぁと思います。次はR&B色が強い、彼らのメロディーをつくる才能がすごくあるんだなというのがリアルに伝わってくるんだけれども、だからと言っていわゆるソウルミュージックにアイデンティファイしているとそういうものでもなくて、ものすごく自由だということを感じさせるナンバーを聞いてください。xXXi_wud_nvrstop_UXXx。


 2分55秒。4曲かけましたけれども、この曲が一番長いです。まさに音楽というのはスマホ上のサブスクリプションサービスであっという間に、3分で消費され、でもその中でしっかり印象に残る、音圧的にもすごくギュッと圧縮されちゃっている、いわゆる従来型のいい音とは概念が違う、その中でこういう世界観ができている、でもこれってグッドミュージックなんじゃないだろうかと思わせるものすごいポテンシャルの高さを持っている、どんどんポップミュージックもハイブリットになっていくなぁと、楽しいなぁという感じがします。

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