ラジオFMのメモ

NHK-FMWorld Rock Nowでの渋谷陽一氏の解説で面白かったものをメモしてゆきます。

カート・コバーン(Kurt Cobain)の遺書「It's better to burn out than to fade away」はどういう意味なのか?

金髪先生第65回 解説はドリアン助川氏です。

 My My,Hey Heyというのはアコースティックバージョンで、Hey Hey, My Myというのはニール・ヤングが好きなディストーションを使ったギターのバージョンです。





My my, hey hey

 My my, hey heyというのは、おいおいという掛け声です。

Rock and roll is here to stay

 ロックンロールはまだまだいくぜ、みたいな意味です。すごい前向きな言葉です。

It’s better to burn out Than to fade away

 fade awayは単に消えるんじゃなくて、だんだん萎れて消えていくということです。だんだん萎れていくよりは、燃え尽きた方がいいぜという意味です。カート・コバーンは、年を取って、だんだん人気もなくなり、やることもだんだんできなくなり、それよりは燃え尽きちゃった方がいいという風に解釈したわけです。しかし、この答えはニール・ヤングの人生が示していると思います。バッファロー・スプリングフィールド(Buffalo Springfield)でもいい。クロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤング(Crosby, Stills, Nash & Young)でもいい。それだけの名声を得たバンドにい続けて、ひとつの事に固執し続けて、ひとつの事に捕らわれの身になって徐々にダメになっていくよりも、その一瞬一瞬に燃え尽きる人生の方がいい。常に時代は変わるんです。僕らの時代も常に変わっていくんです。その一瞬一瞬に燃え尽きているか。その場にい続けてfade awayしていくよりも、その一瞬一瞬に燃える事があるか、という意味のような気がします。

Out of the blue and into the black

 青から出て黒の中に、です。実は、「Out of the blue」は青天の霹靂という意味なんです。よって、びっくりしたなぁ、お先真っ暗だぜ、という意味かもしれないし、Blueは憂鬱という意味なので、憂鬱から抜け出て、闇の中に行こうぜ、という勇気を鼓舞するような意味かもしれません。あるいは、ロックンロールはこれからだぜって言ってることは、「into the black」というのは、もともとR&Bは黒人が始めたものですから、憂鬱から抜け出てR&Bに戻ろうぜ、という意味かもしれません。いろいろな意味にとれる言葉です。実際にニール・ヤングはどういう意味が使ったのかなという気がしますが、僕はやっぱり、憂鬱から抜け出て闇の中でも進んでいこうよという意味なんじゃないかなと思います。ジョニー・ロットンが「ロックンロールは死んだぜ」と言いました。そこの言葉に対する返し歌です。ロックンロールが好きなもの、ロックンロールをやろうとしているものに対する歌です。

The king is gone but he’s not forgotten

 王は死んでも忘れられることはない。

This is the story of a Johnny Rotten

 これはジョニー・ロットンの物語なんだ。

It’s better to burn out than it is to rust

 さび付くよりは燃え尽きた方がいいぜ。

The king is gone but he’s not forgotten

 王は死んでも忘れられない。つまり、「ロックンロールは死んだぜ」と言ったジョニー・ロットンへの返し歌であると同時に、ジョニー・ロットンのことを王だと言っています。お前がやっているパンクがロックンロールそのものじゃないかと。ジョニー・ロットンの言葉に意見を言っているようで、同時にジョニー・ロットンを盛り上げています。あの時代は、パンクについていけないアーティストが滅んでいったというか、命を全うしたというか、アメリカの横ノリのバンドが結構、パンクに対抗できずに滅んでいったという歴史がありますね。ニール・ヤングはパンクをちゃんと受け止めています。ロックは死んだなんて言うけれども、お前が叫んでいることそのものがロックはちゃんと生きてるじゃないか、お前は王じやないかと。

Comment

コメントする

名前
 
  絵文字
 
 
記事検索
スポンサーサイト
スポンサーサイト
アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

プライバシーポリシー
ラジオFMのメモ