world rock now 20041008
ジーザス・オブ・サバービア(Jesus of Suburbia)はセイント・ジミー(St.Jimmy)という別人格を得、現実と戦い、狂気のパンクロッカーとして君臨し、でも結局自分の中のセイント・ジミーを殺し、家に帰ってくるわけです。ロックのこういうテーマというのは、青春的な自我の形成と現実の戦いというのは、ずっと長い間何回も歌われ続けて、それはもう普遍的なロックのテーマなわけですね。同じことが歌われてるんですけれども、やっぱり21世紀の今はそれだけでは語りきれない。結局それだけでは勝ち得なかった現実というのがあって、それをビリー・ジョーは見てきたわけですね。そして、自分でも体験したわけですね。その中で、もう一度家に帰ってそこで終わるのかといったら、違うんだと。家に帰るところからもういっぺん戦闘がはじまるんだと。この「American Idiot」というアルバムが持っているテーマは非常に今日的だし、すばらしいとおもうんですよね。その家に帰ることを決意したことによって、グリーン・デイの最高傑作「American Idiot」が作られたというのは、ロックがよりタフになり別のステージに立ったんだなぁというそういう感慨を抱かせるすばらしいアルバムだと思います。そして何がすばらしいかというと、そうはいいながらももういっぺん、あの主人公の元から去っていった女の子をもういっぺん歌われるわけです。
道で君を見かけて走ったでもそれは夢だった
オレはある日写真を全部焼いたんだ
彼女は飛び出し、俺は違う道を進んだ
顔は覚えているのに 名前が思い出せない
なのに今頃になって、あの名もなき女はどうしてるかなって思うんだ
まるで跡形もなく消えてしまったけど
どっかの男と結婚でもしたんだろうか
オレはある日 写真を全部焼いたんだ
彼女は飛び出し、俺は違う道を進んだ
顔は覚えているのに 名前が思い出せない
なのに今頃になって、あの名もなき女はどうしてるかなって思うんだ
心に、頭に 彼女のことが忘れられない
正直にいうよ 後悔先にたたずって
前からずっと 暗闇の夜
思い出をうまく消化できたなら
オレは昔を振り返ったりしない
君を忘れていくんだ でもあの時は忘れない