音楽のおべんきょうφ(.. )メモメモ

NHK-FMWorld Rock Nowでの渋谷陽一氏の解説で面白かったものをメモしてゆきます。

ヘラコプターズ (The Hellacopters) に学ぶ基本に忠実にロックンロールをやることの大切さ

world rock now 20050916

 ヘラコプターズでPut out the Fire。




 北欧のロックンロールバンドヘラコプターズ。伊藤政則さんはこのヘラコプターズこそが今のロックンロールスピリットをちゃんと持っているバンドなんだと推薦されています。このヘラコプターズのアルバムのタイトルがRock & Roll Is Dead。パンクロックが盛り上がった時に一つのメッセージとしてかなり盛り上がった言葉なんですけれども、そこにはいろいろな意味が込められた難しい言葉であったんですが、ヘラコプターズには難しいニュアンスはありません。このまんまです。メンバー自身が言ってますけれども、もうロックンロールは死んだんだと。彼ら自身が考えるロックンロールとはチャックベリーでありリトルリチャードである。もはやローリングストーンズはロックンロールではないと。あれはチャックベリーやリトルリチャードのコピーであると言っていて、それくらい原典に忠実であり、彼らにとって今のアメリカのロックシーンはRock & Roll Is Dead。ヒップホップやいろいろな新しいカルチャーといろいろな音楽的な方法論が隆盛のそういう状況というのは彼らにとっては納得できない。だからこそ俺達がロックンロールをやるんだと。基本に忠実路線というのはこれくらいのグルーブを生んで、これくらい気持ちの良い音楽になるというものを聞いていただきます。Before the Fall。

 

アル・クーパー(Al Kooper)は編集者である説

world rock now 20050909

 アル・クーパーは僕の個人的に非常に思い入れの強いアーティストでありまして、ソロアルバムも本当に愛してやまないですし、彼自身の音楽的なあり方から何からとても他人とは思えない、ロック史的にどうこうというよりも自分にとってものすごく重要なアーティストとして自分の中に存在しておりまして、個人的に感情移入するものが多いんですよね。ただアル・クーパーのこのアルバムはオリジナルアルバムとしては30年ぶりです。実質的には引退していたといってもいいのかもしれません。この30年ぶりのアルバムは本人も感慨深いでしょうけれども、僕もすごく感慨深いです。My Hands Are Tied 。



 このアル・クーパーという人はボブ・ディランのセッションミュージシャンとして有名なキーボードをいっぱい弾いたり、ジミヘンと一緒にやったり、ライブアドベンチャーという企画アルバムですごい優秀なミュージシャンと一緒にやりながらそのミュージシャンの魅力を引き出すとか、そういう一種の媒介みたいな活躍をしている、そういう人なんですよ。すごく編集者的なセンスがあると思うんですけれども、そうした意味で自分の資質とすごく近いような気がしてすごく好きだったんですけれども、30年間アルバムが出なかったというのはシーンから忘れ去られてしまって、前回来日した時は「俺はもう終わったんだよ」という発言を彼からされて、すごく悲しいなぁという気がして、「でも俺は自分の音楽生活は後悔していないから」と言われて泣きそうになったんですけれども、今回新作を発表したということでまたインタビューをしたんですけれども、30年ぶりに作った動機を聞いたときにポロっといった「前のアルバムをラストアルバムにしたくなかったんだよね」という言葉は結構私としては重くて、そういう形で自分の音楽活動を閉じたくなかったんだなぁと、そしてこれをラストアルバムにするつもりで作ったんだなぁというところでグッときたわけですよ。そのアル・クーパーのラストアルバムにはなってほしくないですけれども、「お前はこのアルバムで何が一番好きなんだよ」って彼に言われて僕が選んだのがこのAnother Man's Prizeというナンバーなんですけれども、「そうか。これはな、ジミヘンとディランがセッションしてるみたいな曲なんだよ。」って言ってたんですけれども、彼はその後続けなかったんですけれども彼の心の中では「悪いけどさぁ、俺は両方ともセッションしたんだなぁ」という重いキャリアを感じさせる、自慢げな、鼻がふくらんでいましたけれども、そういうナンバーでございます。Another Man's Prize。

 なんとなくジミヘンというよりはデイブ・ギルモアという感じのギターでしたけれども、私的にはたまらないですね。もう一曲つきあってください。(I Want You To) Tell Me The Truth 。

2トーンブームをサバイバルしたマッドネス(Madness)

world rock now 20050805

 マッドネスでYou Keep Me Hanging On。



 マッドネスの最新作はカバーアルバム。今聞いていただきましたのは、あまりにも有名なリズム&ブルースのスタンダードナンバー、ザ・スプリームス(The Supremes)の名曲でありますけれども。今世界的に80年代ブームでありますけれども、その中における2トーンブームというのがありまして、そこをスペシャルズとともに中心を担っていたのがマッドネスであります。一時期解散状態があったんですけれども、常にマッドネス再結成の声はあって、特にイギリスでの人気はものすごく根強いものがあるみたいですね。で、やったりやんなかったりみたいなのが続いているんですけれども、最近はコンスタントに作品を発表して演奏活動もしているようであります。この流れの中で発表されましたものが今度のカバーアルバムであります。本当に、このYou Keep Me Hanging Onのようないかにもという曲から、キンクスやホセ・フェリシアーノのような結構ネットリ系の曲まで、いかにもマッドネスのような作品が並んでおります。2トーンブーム、いわゆるスカビートにのってハッピーでグルーヴのあるサウンドを聞かせてくれるにぎやかなパーティーサウンドのようなものを、マッドネスとスペシャルズ、もう少しヘビーなものだとザ・ビートというバンドもいましたけれども、僕は好きでした。その中でマッドネスがサバイバルしていったというのは、ある意味そういう中で一番思想性がなかったというか、音楽の楽しさそのものにフォーカスが絞られていて、時代の変遷の中で、解散する後半は音楽的にもヘビーになっていましたけれども、やっぱり常にこういう風に音楽の楽しさのところにすぐ戻ってくれる、そこにいろいろな思想性があってそれが障害になったりしないという、その腰の軽さがマッドネスの魅力なんじゃないかなぁと思います。キンクスのカバーでLola。




補足) 2トーンとは?(ウィキぺディアより) 

 2トーン(2 Tone、Two Tone)は、1970年代の英国でパンクとスカが融合してできた音楽のジャンル。

ポップソングの基本は3分間である説 その2

world rock now 20050729

 古の60年代はほとんどのロックナンバーは3分台でまとまっていたんですけれども、どんどんロックが多様化するかなで6分、7分、20分、30分みたいに曲そのものが長大化する傾向が何十年か続いていたんですが、21世紀にはいってからまた曲がコンパクトにまとまってきて、これはこれですばらしいことだと思います。ポップミュージックにおける3分という時間はすごくポイントの時間だと思いますからね。この21世紀に入ってから楽曲が3分にまとまっていくという方向の最もすぐれた部分を代表するアーティストがグリーンデイとホワイトストライプスです。



 60年代において3分前後がポップミュージックの完結した世界観だったんですけれども、その世界観を崩したロックの新しいイノベーションというのはいっぱいあったんですけれども、その中での大きな役割を果たしたのがキング・クリムゾン、イエス、ピンク・フロイドなどのプログレであったわけです。こういうバンドが10分、20分、30分の曲を作ることによって、3分以内のポップカルチュアーを崩していったわけであります。しかし、そういうバンドの中においてもこういう3分以内のポップミュージックの非常に優れた世界観が実現しているわけであります。


 本当にキング・クリムゾンというのはメロディーがキレイな曲がたくさんありまして、キレイなメロディーを書ける優れたミュージシャンをピックアップすることができるロバート・フィリップの才能、まあこの人自身は全然メロディーを書けないと思いますけどね、その才能はすごいなと思います。
 さて、3分以内のポップミュージックを今代表しているのがホワイトストライプスとグリーンデイだとすれば、古のそういう世界観を代表しているのがローリングストーンズとビートルズです。




親子で楽しめる健全な市民ロック、コールドプレイ(Coldplay)

world rock now 20050630

渋谷陽一「今週は一位がコールドプレイ(X&Y)、そして三位がホワイト・ストライプスと注目の作品がチャートの中にはいってますけれども、コールドプレイ人気があるんですね。」

中村明美「このアルバムはもう発売される前から、今年一番うれるアルバムということに決まっていまして、発売を延期されると会社の株が下がるくらいだったんですよ。」

渋谷「そんな期待されてたものだったんだ。」

中村「そうですね。最初から70万枚は確実に売れるだろうと言われていて、それを越す73万枚を売りました。」

渋谷「要するに、最初に一週間目でということですよね。」

中村「そうですね。だから今年の発売されたアルバムの中では、50セントが100万枚売ってますんで、それに次ぐ売り上げです。」

渋谷「コールドプレイというのはわりと一般層だから、50セントみたく熱心なファンが買うのではないのでこれからどこまで伸びていくのかなぁという感じですよね。」

中村「300万枚から400万枚くらいは売れるのではと。」

渋谷「だけどアメリカでコールドプレイって昔から人気ありましたか。」

中村「一枚目(Parachutes)はまあままという感じだったんですけれども、彼らは一枚目の発売後に一生懸命ツアーをやったんですよ。一年間くらいかけて。それで百万枚を越してからはあっという間でしたね。だから、二枚目(A Rush of Blood to the Head)なんかもすぐ百万枚の売り上げを軽くいってしまいましたね。」

渋谷「で、今回は300万枚、400万枚なんだ。この分かりやすさがいいんですかね。」

中村「そうですね。フェスなんかに行くと、オーディオスレイブのファンなんかが来ていても、全員が歌うのはコールドプレイだったみたいな。」

渋谷「まあね。これは非常に歌いやすいからね。U2なんかと共通するカラオケロックな感じがしますね。」

中村「そこらへんは今回は叩いてるメディアも増えちゃいまして、U2の真似はしてるけれどもU2ほどの批判性はないじゃないかと。」

渋谷「でもユーザー的にはそんなことは知ったこっちゃないという感じですよね。」

中村「そうですね。メディアの批判なんか読んでない人たちが買っていますからね。」

渋谷「今回のアルバムは真面目な音作りで、要するに自分達の魅力は何であって何が求められているのかという点と真摯に向かい合って、すごく生真面目に作られた作品という感じがしますね。」

中村「そうですね。ポップメロディーの書き方に関してはもう完璧にマスターしているといわれていますね。」

渋谷「やっぱり一般的なファン層が圧倒的という感じですか。」

中村「そうですね。女子高生とか、そのご両親とかそんな風に言われていますね。」

渋谷「親子で楽しめる健全な市民ロック、コールドプレイということで。」



 

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