音楽のおべんきょうφ(.. )メモメモ

NHK-FMWorld Rock Nowでの渋谷陽一氏の解説で面白かったものをメモしてゆきます。

ピンクフロイド(Pink Floyd)はロジャー・ウォーターズ(Roger Waters)である説

world rock now 20060407

 ピンクフロイドのギタリストのデヴィッド・ギルモア(David Gilmour)の22年ぶりの作品で、何もしなくても22年優雅に暮らせるピンクフロイドの定期預金というのはすごいなぁと思いますけれども、そういう久方ぶりの作品、しかしライブエイドでピンクフロイドが30年ぶりくらいに再結成されて大変な反響を巻き起こしたという背景があったかどうか理由はさだかではないですけれども、イギリスでは大ヒットして大変話題になっているデヴィッド・ギルモアの22年ぶりのソロアルバムのアルバムタイトルナンバーを聞いてください。On An Island。



 演歌ギターを弾かせたらカルロス・サンタナかデヴィッド・ギルモアかというくらいなもので、すごいですよね。芸風が変わらないし思いっきり演歌してますよね。この演歌的な感性というのは全世界的に通用するんだということをサンタナもデヴィッド・ギルモアも証明していますが、私の番組を聴いているかたはご存知であるかもしれませんけれども、私はピンクフロイド、それはロジャー・ウォーターズであるという学説をずっと主張し続けている人でありまして、別に他のメンバーは要らないというわけではありませんけれども、やっぱり一番重要な働きをしていたのはロジャー・ウォーターズであると思いますし、ピンクフロイドのコンセプト、そして作詞作曲歌歌っていてアレンジャーなんかもやっているので当然一番重要なのはロジャー・ウォーターズなんですけれども、デヴィッド・ギルモアというのは一人の優秀なギタリストとして、アレンジやギターのフレーズにおいてピンクフロイドに大きく貢献していたという人なんで、やはりピンクフロイドのギターの部分だけが独立したというそういうそういう印象がこの作品にはあると僕は思います。でもあのギターの音というのは耳に残っているもので、音楽評論家っぽくちょっと気の利いたことをいうのならば、要するにピンクフロイドというのは歌メロとそれに対抗する形でのデヴィッド・ギルモアのギターの一種のギターのメロがぶつかり合って成立するカタルシスがすごく重要な商品性を形作っているんですが、聞いていただければわかるんですけれども、ギターメロと歌メロが一緒なんですよね。デヴィッド・ギルモアがソロでやってしまうと。ロジャー・ウォーターズの場合はロジャー・ウォーターズ自身が非常にポップな歌メロを作ってそれに対してデヴィッド・ギルモアの別のフレーズのギターのメロが絡むというそういう緊張感があの商品性を生んでいるんですが、彼の場合は結局ソロになっちゃうとギターメロも歌メロも一緒になっちゃって割と単調な印象を与えてしまうということになってしまうと思います。でもやっぱりピンクフロイドのギタリストのデヴィッド・ギルモアのサウンドというのは独特なものがあります。もう一曲じっくりと聴いて頂きたいと思います。Take A Breath。

ピンクフロイド(Pink Floyd)はデヴィッド・ギルモア(David Gilmour)である説

world rock now 20061229

伊藤政則「ピンクフロイドのデヴィッド・ギルモアさんが大変久しぶりにアルバムを出しました。」

渋谷陽一「なんか30年ぶりか40年ぶりくらいじゃない。ライブエイトで復活してすごくインパクトがあった。」

伊藤「僕はライブもサンフランシスコまで見に行ったんですよ。」

渋谷「デヴィッド・ギルモアの?」

伊藤「そうですよ。そして、自分にとってのピンクフロイドはロジャー・ウォーターズじゃなくてデヴィッド・ギルモアであるということをライブとアルバムで確認しました。」

渋谷「それは間違っていますけれども。」

伊藤「それはあなたの考えでしょ。僕はデヴィッド・ギルモアの歌。そして彼の独特なトーンのギター。そういうものが僕にとってのピンクフロイドだったんだなと。」

渋谷「曲は作ってないけれども。」

伊藤「作ってますよ。ロジャー・ウォーターズがやめたあと。ロジャー・ウォーターズのソロコンサートみたでしょ。あんなつまらないコンサート。しかも、ダークサイドオブザムーンで営業活動したでしょ。今年。」

渋谷「そうなの」

伊藤「知らないでしょ。ダークサイドオブザムーン完全再現ツアーで細々とやったんだよ。僕はサンフランシスコでデヴィッド・ギルモアのコンサートを見たんだけれども、彼のギターのタッチみたいなものはすごいなと。コンサートの一部は久しぶりに発表したこのアルバムの完全再現で、ずっと休みなくアルバムを紹介するんですよ。そして15分くらいインターミッションがあってからクレージーダイヤモンドからはじまって最後はエコーズの完全再現で終わるというね。集大成的な。」

大貫憲章「イントロ長すぎて歌が出てくる前におわっちゃうよな。」

伊藤「たぶんデヴィッド・ギルモアは今回のアルバムの中で人生の締めだから自分の好きなことだけしてすごしたいというか。最後ブックレットみると奥さんと手をつないで自分の大きな敷地らしいけど秋の枯れ葉舞うシーンで終わるわけよ。彼のボートに招かれてインタビューするとやっぱり自分の人生の最後なんで、ピンクフロイドはもうやらないけど、このアルバムが集大成なのでということを言っていたので、ひょっとするともうツアーをやらない可能性もあるわけで。」


渋谷「すごい美しいデヴィッド・ギルモア節ですけれども。」

伊藤「渋谷さんの心のなかにはこういう美しい曲がはいるスペースはもうないでしょ。」

渋谷「もう取り去っちゃいましたね。眠いなぁみたいな。」

ポーキュパイン・ツリー(Porcupine Tree)に学ぶプログレの様式化とは?

world rock now 20060421

 もともとプログレッシブロックというのは1970年代に大変隆盛を誇った音楽のスタイルでありまして、キングクリムゾン、イエス、ピンクフロイドといったバンドが全世界的な成功をおさめたわけであります。プログレッシブロックというのがどういう音楽かというと、それまでのロックンロールのスタイルを抜本的に変えて、例えばクラシックであるとか、ジャズであるとか、そういう音楽の要素を取り入れたり、あるいは従来型の3分というポップミュージックのスタイルにこだわらずに10分20分というように長大な曲をやってみたり、あるいはこれまでのラブソングや非常に分かりやすい歌詞から例えばキングクリムゾンに「confusion will be my epitaph」、混沌こそ我が墓碑銘という大変有名なすばらしい歌詞がありますけれども、従来のポップミュージックには存在しなかったような文学的な歌詞を取り込んで、まさに新しい時代のロックとしてすごく衝撃的に登場した音楽スタイルだったわけであります。ただし、プログレッシブロックも一時期の圧倒的な評価を得た時期から役割を終えだんだんなくなってきたわけですね。しかし、そういうスタイルを好む一部のファンが古典的なロックのスタイルとしてそれを伝承し、愛し、プログレッシブロックの熱狂的なファンという人たちがずっとい続けていたわけでありますが、それでもメインストリームに登場することはなかったわけであります。そういう中でポーキュパイン・ツリーというプログレッシブロックのスタイルを持ちながらもある程度メジャーな音楽シーンでも通用するバンドが登場したわけですね。当然、ポーキュパイン・ツリーはピンクフロイドの影響をうけつつ、しかしいまどきのヘビーロックやパンクロックの影響もうけつつ、その中でプログレッシブロックをつくっていこうという動きをやっているわけであります。Blackest Eyes。


 プログレッシブロックというのはまさに言葉通りに革新的な方法論をどんどん取り入れてゆく、そういうロックのことだったんですが、今やプログレッシブロックは様式のことになってしまっていて、まったく自己矛盾になっていて、プログレッシブロックが様式化したらそれはプログレッシブロックじゃないんですが、現在はこういう音のスタイルそのものがプログレッシブロックのスタイルとしてまるで古典落語をどんどん継承してゆく形になっていってしまっているのは非常に残念というか、だから本来の意味でのプログレッシブロックはある意味ではエミネムであったりレディオヘッドであったりというようなことになる感じがします。

フォレスト・ガンプ(Forrest Gump)におけるヒッピーの描き方

world rock now 20060421

 僕はフォレスト・ガンプという映画が大嫌いでありまして、何故嫌いかというと、主人公が自分のガールフレンドがヒッピー仲間に影響されてそのコミューンの中に入ってしまってそこから救い出すという世界観があってですね、あそこでみんなロックを聞きながらヨタヨタして目がとんじゃっている連中から理性をもって救い出すという世界観にものすごく腹が立ちまして、私はどちらかというとヒッピーといかれたロックの側におりまして、あれがなかったらロックなんか成立しないじゃないかという感じがして、そこに大きな溝があるんだなぁという感じがしました。例えばサイケデリックミュージックにしろ何にせよスタイルとして継承される部分はあるかもしれないけれども、思想においてヒッピーとは何であったのかとかサイケデリックロックとは何であったのかという所をきっちり踏まえていないと前に進めないんじゃないかなと僕は思います。

チープ・トリック(Cheap Trick)に学ぶチープ・トリックとは何か?

world rock now 20060609

 チープトリックは30年以上のバンドキャリアを誇りながらリック・ニールセンやロビン・ザンダーやトム・ピーターソンがそれぞれが自分自身のキャラクターを演じている、バン・E・カルロスは30年前からおっさんくさくて今もおっさんのまんまみたいな、そういうような役割分担があって、また音楽的な役割も非常に均一であって、本当にすごいですよね。変わらない永遠のスタンダードみたいな感じで。ライナーノーツを読みますとDVDにチープ・トリックの目標についてリック・ニールセンが語っているそうでそれが最高なんですけれども、「三つの望みがある。大金持ちにならない、超かっこよくならない、三つ目は働き続けること。つまりはチープ・トリックでいるっていうことさ。」という。これでしょうね。このバンドが長く続けられたのは。自分の出身地をアルバムタイトル(「Rockford」)にしてまさに原典回帰し、そして旬の時期よりもより旬な音作りをしたチープ・トリック。これは本当にすばらしいアルバムだと思います。その中でも僕は一番曲のメロディーがいいんじゃないかなと思うナンバーを聴いて頂きたいと思います。Every Night and Every Day。

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